Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





F




「まあ、お土産なんて。わざわざありがとうございます」


 麗が丁寧にお辞儀をしてきて恐縮してしまう。


「お世話になったのはこちらのほうなので」


 手を左右に振って応じると、邦夫がにかっと笑んだ。


「それじゃ遠慮なくいただくべ」


 手もみしながら朔太郎とともにどら焼きの箱を開ける。

それから全員に中身を手渡すと、美味しそうに頬ばり始めた。


(いただきます)


 内心で今一度感謝を込めて呟き、自分もどら焼きを口にする。

柔らかな甘みが口の中に広がり、

涼介は自分が少しだけ空腹を感じていたことに気がついた。


(うまい……)


 夢中でどら焼きを食べ終わる。

だしてもらったお茶を一くち口に含んでいた時、

ふと肝心なことを思いだした。


「そういえば、

太一君たちは今どこに? こちらに伺っていると聞いたんですが……」


 もう帰ってしまったのだろうか。

入れ違いは残念だ、と思っていると、朔太郎が庭を指さした。


「太一って子ならさっき庭で遊んでたべ」

「そうなんですか。じゃあ、失礼して、ちょっと呼んでみようかな」


 もしかしたら案外敷地内で遊んでいるかもしれない。

涼介は立ち上がり、縁側へとでた。










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