Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
G
「この部屋からでも呼べば来るべ」
邦夫の言葉に勇気づけられ、涼介は首肯する。
「はい。じゃあ、遠慮なく。――おーい、太一君! いるかい?」
「はーい! ってお兄ちゃんだ!」
「本当だ!」
先に庭の木々の隙間から顔を覗かせたのは太一と里夫だ。
「こんにちわ」
(本当に遊びに来るまでになったんだなあ……)
黄金梅に願わなければ、
こんな光景を見る日など一生来なかったに違いない。
翔の親戚にも獣人がいることは聞いていたが、
野木崎はそれをギリギリまで隠していたのだから。
「こんにちわ」
みのりが微笑むと、太一の顔がさらに輝いた。
「あ、みのり様もいる。こんにちわ」
飛び上がらんばかりにして近づいてくる太一の横で、
里夫が控えめに頭を下げた。
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