Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





G




「この部屋からでも呼べば来るべ」


 邦夫の言葉に勇気づけられ、涼介は首肯する。


「はい。じゃあ、遠慮なく。――おーい、太一君! いるかい?」



「はーい! ってお兄ちゃんだ!」

「本当だ!」


 先に庭の木々の隙間から顔を覗かせたのは太一と里夫だ。


「こんにちわ」



(本当に遊びに来るまでになったんだなあ……)


 黄金梅に願わなければ、

こんな光景を見る日など一生来なかったに違いない。

翔の親戚にも獣人がいることは聞いていたが、

野木崎はそれをギリギリまで隠していたのだから。


「こんにちわ」


 みのりが微笑むと、太一の顔がさらに輝いた。


「あ、みのり様もいる。こんにちわ」


 飛び上がらんばかりにして近づいてくる太一の横で、

里夫が控えめに頭を下げた。










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