Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
IA
「あの、満さんはその後いかがお過ごしですか?」
「満だべか?」
みのりの問いに邦夫が首をかしげた。
「あいつなら、今日も墓参りだんべ」
朔太郎が先に答える。
「お墓参り?」
「お墓参り、ですか?」
一体誰の墓参りなのだろう。思ってみのりとともに疑問を口にする。
もしかしたらご先祖に対してだろうか。
今回のことを報告するため、とかだろうか。
(そういうタイプにも見えなかったけど)
満のワイルドな容貌を思い浮かべていると、邦夫が重々しく頷いた。
「んだべ。満の親友の墓参りだんべ」
親友……。
それはさらなる初耳であり、同時に触ってはならない話のような気がした。
「そうだったんですか……」
好奇心のままに尋ねてしまったことを恥じていると、
麗が肩を揺らしだす。
「あの子ったらいっちょまえに自分の彼女を紹介するんだーって、ふふふ」
堪えきれない笑いを袖で覆いつつ、麗が告げる。
涼介は獣人の長の彼女、に思い至って目を見開いた。
「え、小越さんも一緒なんですか?」
まだ都のほうを辞められてはいないと思うのだが。
いいのだろうか。
だが、腕を組む自分とは対照的に、明るい声が隣で響いた。
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