Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IA




「あの、満さんはその後いかがお過ごしですか?」

「満だべか?」


 みのりの問いに邦夫が首をかしげた。


「あいつなら、今日も墓参りだんべ」


 朔太郎が先に答える。


「お墓参り?」

「お墓参り、ですか?」


 一体誰の墓参りなのだろう。思ってみのりとともに疑問を口にする。

もしかしたらご先祖に対してだろうか。

今回のことを報告するため、とかだろうか。


(そういうタイプにも見えなかったけど)


 満のワイルドな容貌を思い浮かべていると、邦夫が重々しく頷いた。


「んだべ。満の親友の墓参りだんべ」


 親友……。

それはさらなる初耳であり、同時に触ってはならない話のような気がした。


「そうだったんですか……」


 好奇心のままに尋ねてしまったことを恥じていると、

麗が肩を揺らしだす。


「あの子ったらいっちょまえに自分の彼女を紹介するんだーって、ふふふ」


 堪えきれない笑いを袖で覆いつつ、麗が告げる。

涼介は獣人の長の彼女、に思い至って目を見開いた。


「え、小越さんも一緒なんですか?」


 まだ都のほうを辞められてはいないと思うのだが。

いいのだろうか。

だが、腕を組む自分とは対照的に、明るい声が隣で響いた。










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