Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
IB
「良かった。先生たちも付き合うことになったのね」
嬉しげに視線を向けてくるみのりを前に、一瞬息を呑む。
どんな表情でも明るく輝いて見えるのはなぜなのだろう。
「うん、そうみたいだね」
涼介は組んでいた腕を解き、みのりの手を握った。
「ああ、そうだんべ。待ってればそのうちやってくるべ」
朔太郎が穏やかな口調で同意してくれる。
涼介は相槌を打つ。
小越とはどうやって会おうと思っていたから願ったり叶ったりだ。
「……ラッキーだったね。みのりさん」
「ええ」
みのりに語りかけると、みのりも口元をさらに綻ばせる。
そのまま見つめ合っていた時だ。
ドタバタと忙しない足音がして、一間廊下から里夫が顔をだした。
「オレがいっちばーん!」
「くっそ、負けた。2番だ」
翔が悔しがって膝を打つ。
「もう、二人とも早すぎるよー」
後からやってきた太一が疲れたようにその場へしゃがみ込んだ。
「オレに勝とうなんて100年早いわー」
涼介は得意げに鼻を鳴らす里夫を見て頬を緩めると、
3人へ声をかけた。
一つ前を読む GPの部屋に戻る 次を読む
|