Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IC




「3人ともおかえり!」

「ただいまー」


 子供たちが異口同音に答える。


「お兄ちゃん、どら焼きまだある?」


 座卓に手を置き待ちかねたように身を乗りだしてくる太一へ、

涼介はどら焼きを差しだした。


「はい、どうぞ」

「ありがとう」


 太一が手早く翔と里夫へどら焼きを回すと、

受け取った2人は即座に包みを開けた。


「いっただきまーす」

「うまっ」


 秒単位で感想を叫ぶ里夫が微笑ましく、涼介は軽く吹きだす。

だが、同時に重要なことを思いだした。


「太一君、お祖母さんはどうしてる? お元気なのかな?」


 先ほど太一の母親から聞いてはいたが、気になっていた。

本当に太一の祖母は元気になってくれたのだろうか、と。

しかしそんな不安など物ともせず、

どや焼きに齧りついていた太一が大きく頷いた。


「うん! 写真見せたらすっごく喜んでくれた」


 太一の言葉に涼介の心は軽くなる。

あの頑なだった人が喜んでくれたのか。

そう思うと小躍りしたい気分になった。










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