Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





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「偶然にもね、

邦ちゃんと太一君のお祖父がお友達だったんですよ」


 野臥間の話を補うようにつけ加えられた鶯木の説明に、

みのりは目を瞠った。


(こんな偶然があるなんて……)


 みのりは太一の顔を見る。だが、太一はこちらの驚愕など

知らん顔で、どら焼きを頬張っていた。

 リスのように両頬を膨らませて食べる愛らしい姿に、

口角を緩める。その間にも涼介たちの話は続いていた。


「え、じゃあ、邦夫さんはあのレスキュー隊の?」

(レスキュー?)


 今の野臥間の体格からは想像できないが、彼の職業は

レスキューだったのだろうか。

まじまじと野臥間を見つめていると、野臥間が白茶のいがぐり頭を

恥ずかしそうになでた。


「んだ。

色々あって太一君のお祖母さんとは疎遠になってしまったべ。

けんど、みのり様たちが黄金梅を実らせてくださったおかげで

また縁がつながったんべ」

「――そう、なんですかあ……」


 涼介が前のめりになっていた身体の力を抜き、ドンと座り込む。

感嘆のため息とともに吐き出された言葉は、心底安堵したと

言わんばかりだった。










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