Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
IE
「偶然にもね、
邦ちゃんと太一君のお祖父がお友達だったんですよ」
野臥間の話を補うようにつけ加えられた鶯木の説明に、
みのりは目を瞠った。
(こんな偶然があるなんて……)
みのりは太一の顔を見る。だが、太一はこちらの驚愕など
知らん顔で、どら焼きを頬張っていた。
リスのように両頬を膨らませて食べる愛らしい姿に、
口角を緩める。その間にも涼介たちの話は続いていた。
「え、じゃあ、邦夫さんはあのレスキュー隊の?」
(レスキュー?)
今の野臥間の体格からは想像できないが、彼の職業は
レスキューだったのだろうか。
まじまじと野臥間を見つめていると、野臥間が白茶のいがぐり頭を
恥ずかしそうになでた。
「んだ。
色々あって太一君のお祖母さんとは疎遠になってしまったべ。
けんど、みのり様たちが黄金梅を実らせてくださったおかげで
また縁がつながったんべ」
「――そう、なんですかあ……」
涼介が前のめりになっていた身体の力を抜き、ドンと座り込む。
感嘆のため息とともに吐き出された言葉は、心底安堵したと
言わんばかりだった。
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