Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IF




(恩恵の効果がこんな形でも現れるなんて)


 みんなで黄金梅に願ったときは、これほどまで色々なところで

影響が出るとは思っていなかった。

ほんの少しだけでいい。みんなが幸せだと感じることができれば、

それだけで十分だ。

そんな気持ちだった。だが、蓋を開けてみればこんなにも変わり

始めている。


(本当にすごいわ)


 みのりが嬉しそうに笑っている野臥間たちを眺めていると、

狼谷がキラキラとした眼差しを向けてくる。


「これから黄梅は変わってくべ。

全部、みのり様たちのおかげだんべ」

「いえ、皆さんのお力があったから

黄金梅を実らせることができたんです」


 涙を流さんばかりに頭を下げられ、みのりは慌てて顔を左右に

振った。しかしそれを謙遜と捉えたのか。狼谷が感極まった様子で

にじり寄ってくる。

あまりの圧にみのりが無意識で仰け反ると、支えるように涼介が

肩に腕を回した。


「みのりさんの言うとおりだと思います」


 そうだよね、と微笑む涼介の甘い視線にみのりは顔を火照らせた。










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