Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
IF
(恩恵の効果がこんな形でも現れるなんて)
みんなで黄金梅に願ったときは、これほどまで色々なところで
影響が出るとは思っていなかった。
ほんの少しだけでいい。みんなが幸せだと感じることができれば、
それだけで十分だ。
そんな気持ちだった。だが、蓋を開けてみればこんなにも変わり
始めている。
(本当にすごいわ)
みのりが嬉しそうに笑っている野臥間たちを眺めていると、
狼谷がキラキラとした眼差しを向けてくる。
「これから黄梅は変わってくべ。
全部、みのり様たちのおかげだんべ」
「いえ、皆さんのお力があったから
黄金梅を実らせることができたんです」
涙を流さんばかりに頭を下げられ、みのりは慌てて顔を左右に
振った。しかしそれを謙遜と捉えたのか。狼谷が感極まった様子で
にじり寄ってくる。
あまりの圧にみのりが無意識で仰け反ると、支えるように涼介が
肩に腕を回した。
「みのりさんの言うとおりだと思います」
そうだよね、と微笑む涼介の甘い視線にみのりは顔を火照らせた。
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