Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
四
AI
「梅宮さんたちはどうしてここに?」
小越の問いにみのりが応じる。
「お世話になった方々にお礼を言いたくて伺いに。
先生にもお礼が言いたかったんです。色々助けてくださって
ありがとうございました」
深々と頭を下げるみのりに小越が慌てて姿勢を正した。
「それはこちらこそお礼を言いたいくらいだわ。
みのりさんのおかげで自分がどれだけ狭い世界にいたのか気づくことが
できたんだもの。本当にありがとう」
みのりと同じように小越も頭を下げる。
「いえ、とんでもないです」
頭を下げ合ったまま硬直状態の2人を見て、太一が首を向けてきた。
「ねえ、お兄ちゃん。
なんでみのり様とお姉さんは頭を下げあってるの?」
太一の問いに、微笑みながら答える。
「2人ともお互いがいたおかげで大切な物を見つけたり、
取り戻せたりできたからだよ」
本当によかったと思う。
この2人も黄金梅のことがなければ出会うこともなかっただろうし、
わかり合うこともなかっただろう。
「あのお姉さん、本当に先生だったんだな」
唸る翔に涼介は吹きだしつつ告げる。
「そうなんだよ。まあ、ドジっ娘だけどね」
肩を竦めていると、小越がおもむろに顔をあげた。
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