Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





AIA




 あの頑固おやじがどら焼き好きだったとは。


「そうなんですか! 甘党だったとは思わなかったなあ」


 てっきり酒の肴のほうが好みだと思っていた。


(今度改めて買いに行こうと思ってたけど、それなら今日ご挨拶に

行っても良さげだ)


 まだ残っているどら焼きの包みを眺めながら、内心で呟いた。


「前に来たとき、娘さんと一緒にうまそうに食ってたべ」


 邦夫の言葉に涼介はへーと声をあげる。

芽衣子さんも甘い物に目がないのか。

それなら話は早い。問題は飛田だが……。


(芽衣子さんに呼びだしてもらうって言っても、再就職先探してる最中だから

大変かもしれないしなあ……)


 顎に手をあてていると、獣人の長、満が口を開いた。


「そういえば最近見かけねーけど、正志のやつどうしたんよ?」


 まさに訊きたいと思っていたことだ。

涼介は胸の内で尋ねてくれた満に感謝する。


「あー、正志なら山波さんちだべ」

「ええ?!」


 のんびりと茶を啜りつつ答える朔太郎の言葉に、

涼介はまたしても仰天した。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む