Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





AIC




(それって芽衣子さんと飛田さんのことは

まだ認めていないってことなのかしら?)


 みのりが考え込んでいると、涼介が長老たちへ向かい

身を乗り出した。


「じゃ、じゃあもしかして住み込みで?」

「んだ」


 重々しく頷く野臥間に、小越がはしゃぎ出す。


「それはもう結婚したも同然ですね! ね、満さん!」

「あ、ああ。そうだな。ちっ、正志の分際で先行きやがって」


 満が悔しそうに舌打ちをした。

彼も小越との結婚を視野に入れているのだろう。

みのりは、やけ食い気味に茶菓子を食べ散らかしている満を横目に

先ほどまでの会話を反芻する。


(そっか。飛田さんが住込みのお弟子さんになったってことは

跡継ぎになるってことだものね)


 確かにそれならば小越の言う通り、『結婚したも同然』だ。

みのりが納得しながら頷いていると、小越がそうだわ、と手を叩く。


「あとで律子さんに報告しなくっちゃ!」

「ならみのりさん。

ちょうどいいから帰りに山波さんのところへ寄って行こうか?」

「そうね。それがいいわね」


 みのりは涼介の提案に間髪を入れず首肯した。










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