Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





AID




 太一や三長老、小越たちにも礼を言うことができ、暇を告げるには

ちょうどいいタイミングだった。

みのりが身支度を整え始めると、太一が驚いた様子で涼介を見る。


「え? もうお兄ちゃんたち帰っちゃうの?」


 太一の悲しげな顔に、涼介は眉根を下げた。


「うん。他にも寄らなくちゃならないところがあるからね」


 涼介が太一を優しく諭す。

微笑ましい彼らを眺めていると、小越が話しかけてくる。


「皆さんによろしく言っておいてくださいね」

「わかりました」


 みのりは笑みを浮かべ頷いた。鶯木が話に加わる。


「またいつでもいらしてくださいね」

「はい。ありがとうございます」


 太一の説得を終えたらしい。涼介が鶯木に向かいお辞儀した。

席を立った自分たちのあとを続く形で狼谷も立ち上がる。


「んだんだ。山波さんにもまた集まりましょうとお伝えくださいだんべ」

「はい、必ず」

「お邪魔しました」


 みのりは、首肯する涼介の隣で頭を下げた。

廊下を歩き玄関口へおりる。


「今度は手ぶらでお越しくださいだんべ」

「ありがとうございます。それでは失礼します」


 野臥間の言葉に碧が笑みを向けた。その隣で紅がお辞儀する。

野臥間の後ろには三長老と始めとし、小越や満、少年たちが

控えていた。


「お邪魔しました」

「またねー」


 涼介の声に、少年たちが元気よく手を振って送り出してくれた。

みのりは普通に接してくれる彼らに感謝しながら、野臥間宅を

あとにした。










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