Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





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 涼介たちは車で紺色の瓦屋根に白壁の小ぶりな一戸建ての前に来ていた。

車内から外へ出て、玄関に向かうみのりを追いかける。

すかさず隣へ並んだ途端、隣の木造立ての小屋から怒号が耳をつんざいた。


「お前! それ捨てるなって言ったろうが!!」

「すみません! お義父さん!!」


 山波と飛田の声だ。間違いない。

何やらひどく怒られているようだが大丈夫だろうか。

心配になって近づこうとした時だ。さらに山波の叫びが飛んできた。


「お義父さんじゃねえ! オヤっさんと呼べ!!」


 いつ通りの、いや、いつもとは少し違うフレーズの言葉に

目を瞬いていると、みのりが声をかけてきた。


「今の声って……?」

「山波さん……かな?」


 山波だが、山波らしくない気がして首をかしげていると、紅が呟いた。


「オヤっさん?」


 そうだ、それだ。

紅の疑問に内心で激しく同意していると、碧がくすりと肩を竦めた。


「相変わらずお元気なようですね」


 いつになくのほほんとした様子の碧に、

これもよく考えたら普通じゃないよな、と頭で考える。


(そういえば、再会してからずっとどこか気を張ってる碧さんしか

見てないのかもしれないなあ)


 護衛の役目もはたしているのだから当たり前なのだが、

涼介はそんな碧のちょっとした変化を嬉しく思った。










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