Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
五
B
「その節は大変お世話になりました」
みのりがためらいもなく一礼すると、紅もペコリと頭を垂れる。
涼介は慌てて2人に倣った。
「あらあらあら、まあまあまあ」
山波の妻は意味のない言葉を連ね驚いた様子だ。
どうしたものだろう。
何を言うべきか考えいていると、救いの手が差し伸べられた。
「みのり様! 梅畑さんたちも! お母さん、私お父さん呼んでくる!」
芽衣子の慌てた声で芽衣子の母親であることが確定した。
内心ほっとしていると、頭をあげたらしいみのりが芽衣子へ声をかけた。
「芽衣子さん、こんにちわ」
涼介もタイミングを計り、顔をあげる。
芽衣子へ向かい話しかけた。
「すみません。いきなり押しかけて」
よく考えたら携帯へ連絡くらいするべきだったかもしれない。
そんなことにやっとのことで思い至り詫びると、
芽衣子が三和土にでてきて、ぶんぶんと手招きをしてきた。
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