Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





B




「その節は大変お世話になりました」


 みのりがためらいもなく一礼すると、紅もペコリと頭を垂れる。

涼介は慌てて2人に倣った。


「あらあらあら、まあまあまあ」


 山波の妻は意味のない言葉を連ね驚いた様子だ。

どうしたものだろう。

何を言うべきか考えいていると、救いの手が差し伸べられた。


「みのり様! 梅畑さんたちも! お母さん、私お父さん呼んでくる!」


 芽衣子の慌てた声で芽衣子の母親であることが確定した。

内心ほっとしていると、頭をあげたらしいみのりが芽衣子へ声をかけた。


「芽衣子さん、こんにちわ」


 涼介もタイミングを計り、顔をあげる。

芽衣子へ向かい話しかけた。


「すみません。いきなり押しかけて」


 よく考えたら携帯へ連絡くらいするべきだったかもしれない。

そんなことにやっとのことで思い至り詫びると、

芽衣子が三和土にでてきて、ぶんぶんと手招きをしてきた。










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