Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





C




「そんなところにいないであがってください。

今お父さん呼んできますから! お母さん、あとよろしくね!」


 母親に声をかけたかと思うと、玄関にあったツッカケを履いて外へでてしまう。


「あ、お忙しいようだったらお構いなくって、行っちゃった……」


 隣の小屋へ向かう後ろ姿を見送りつつ、みのりが肩を落とした。


「ああいう子ですから。――どうぞ、皆さん。お上がりくださいな」


 山波の妻がのんびりした声で軽く言い訳した後、

家の中へと誘った。


「お邪魔します」


 涼介はみのりとともに一礼し、廊下へと足を踏み入れる。

ほぼ同時に紅も頭をさげ、屋内へと入った。


「失礼します」


 最後に碧が告げると、和子が改めて頬を緩める。

突然の来客にも関わらず、特に迷惑がってはいないようだった。

慣れているのだろうか。


(家が職場ってことはこういうことも多いのかもなあ)


 などと考えていると、山波の妻が廊下の奥へと招いてくれる。


「どうぞどうぞ」


 まもなく庭が見える卓袱台とテレビのある部屋へ通され、

涼介は恐縮しながら用意された座布団へと座った。










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