Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





D




 みのりは、涼介の隣に座った。


(……あったかい)


 もしかしたらさっきまで干していたのかもしれない。

ふかふかの座布団にみのりは口元を綻ばせた。


「こちらでおくつろぎください。すぐにあの人も来ると思いますので」


 和子が声をかけてきた。全員が座り終えるのを待っていたのだろう。

みのりは座ったまま頭を下げる。


「ありがとうございます」

「いえいえ、とりあえずお茶でもいかがですか。

今ご用意したしますから」


 和子がにっこりと目尻の皺を深めた。

それを廊下側に座る碧が、部屋を出て行こうとする和子を引き止める。


「お構いなく」

「どうぞお構いなく。

僕たちは山波さんにお礼をと思って立ち寄ったまでですから」


 碧のあとを続く形で涼介も口を開いた。


「まあまあ。積もる話もございましょうから。

どうぞこちらでお待ちください」


 和子はこちらの意見を聞くつもりがないようだ。

やんわりとした口調だが、引くつもりはないという意思の強さを感じた。


「あの奥様」


 みのりは再び部屋を出て行こうとする和子へ声をかけた。










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