Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
五
D
みのりは、涼介の隣に座った。
(……あったかい)
もしかしたらさっきまで干していたのかもしれない。
ふかふかの座布団にみのりは口元を綻ばせた。
「こちらでおくつろぎください。すぐにあの人も来ると思いますので」
和子が声をかけてきた。全員が座り終えるのを待っていたのだろう。
みのりは座ったまま頭を下げる。
「ありがとうございます」
「いえいえ、とりあえずお茶でもいかがですか。
今ご用意したしますから」
和子がにっこりと目尻の皺を深めた。
それを廊下側に座る碧が、部屋を出て行こうとする和子を引き止める。
「お構いなく」
「どうぞお構いなく。
僕たちは山波さんにお礼をと思って立ち寄ったまでですから」
碧のあとを続く形で涼介も口を開いた。
「まあまあ。積もる話もございましょうから。
どうぞこちらでお待ちください」
和子はこちらの意見を聞くつもりがないようだ。
やんわりとした口調だが、引くつもりはないという意思の強さを感じた。
「あの奥様」
みのりは再び部屋を出て行こうとする和子へ声をかけた。
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