Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





G




 山波の反応に涼介も気づいたみたいだ。


「あの、無理にとは言いませんけど、美味しいですよ? どら焼き。

お好きでしたらどうぞ受け取ってください」

(さっき長老さんたちが、山波さんがどら焼きを好きだって

言っていたものね)


 山波だって本心で受け取りたいに違いない。

みのりがそう確信していると、山波と目線が合った。


「みのり様もそう思われますか?」


 山波が意思を変えようとしてくれている。それが嬉しかった。

みのりは一も二もなく頷く。


「ええ。山波さんのお口に合えばと思い持参しましたから」

「皆さんでお召し上がりになればいいじゃないですか、あなた」


 和子がダメ押しとばかりに山波を説得した。


「うむ。みのり様がそうおっしゃるなら……。おい、準備頼む」

「はいはい、ただいま」


 ようやく出た山波の了承の声に、和子と芽衣子がお茶と

お菓子の準備をいそいそと始める。

あらかじめセットされていたのだろう。すぐに部屋へ戻ってきた。


「お待たせしましたー」


 芽衣子がお茶とどら焼きを配っていく。


「ありがとうございます」


 みのりが礼を言う隣で、

紅が嬉しそうに芽衣子からどら焼きを受け取っていた。










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