Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
五
G
山波の反応に涼介も気づいたみたいだ。
「あの、無理にとは言いませんけど、美味しいですよ? どら焼き。
お好きでしたらどうぞ受け取ってください」
(さっき長老さんたちが、山波さんがどら焼きを好きだって
言っていたものね)
山波だって本心で受け取りたいに違いない。
みのりがそう確信していると、山波と目線が合った。
「みのり様もそう思われますか?」
山波が意思を変えようとしてくれている。それが嬉しかった。
みのりは一も二もなく頷く。
「ええ。山波さんのお口に合えばと思い持参しましたから」
「皆さんでお召し上がりになればいいじゃないですか、あなた」
和子がダメ押しとばかりに山波を説得した。
「うむ。みのり様がそうおっしゃるなら……。おい、準備頼む」
「はいはい、ただいま」
ようやく出た山波の了承の声に、和子と芽衣子がお茶と
お菓子の準備をいそいそと始める。
あらかじめセットされていたのだろう。すぐに部屋へ戻ってきた。
「お待たせしましたー」
芽衣子がお茶とどら焼きを配っていく。
「ありがとうございます」
みのりが礼を言う隣で、
紅が嬉しそうに芽衣子からどら焼きを受け取っていた。
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