Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
一
G
「やっぱり嫌われてるな」
涼介が苦笑いを浮かべ、こぼした。
涼介は、紅の行動が彼への好意からのくるものだとは思って
いないらしい。
(涼介ってば勘違いしているわ)
だが気持ちを隠している紅の代わりに自分が否定しても、
ややこしくなるだけだろう。
何よりも今は自分の気持ちを2人に打ち明ける方が先だ。
みのりは紅に手を引かれ、池から離れる形で歩きながら決意した。
やんわりと紅の手を解き、立ち止る。
「あの、その、ね……」
「うん?」
「……?」
上手くしゃべれず口ごもりながら話を切り出すと、
涼介と紅は不思議そうな顔で見てきた。
みのりは、続きを待つ彼らの視線に怯みそうになりつつ、
一気に捲し立てる。
「今日、時間を貰ったのわね。
その、ふ、2人に伝えたいことがあるの!」
「ん? あ、そうか。話があるって言ってたね。
ええっと、良いことなのか、な?」
涼介がゆったりとした口調で相槌を打つ。
みのりは緊張のあまり彼の質問には答えず、そのまま話を進めた。
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