Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





G




「やっぱり嫌われてるな」


 涼介が苦笑いを浮かべ、こぼした。

涼介は、紅の行動が彼への好意からのくるものだとは思って

いないらしい。


(涼介ってば勘違いしているわ)


 だが気持ちを隠している紅の代わりに自分が否定しても、

ややこしくなるだけだろう。

何よりも今は自分の気持ちを2人に打ち明ける方が先だ。

みのりは紅に手を引かれ、池から離れる形で歩きながら決意した。

 やんわりと紅の手を解き、立ち止る。


「あの、その、ね……」

「うん?」

「……?」


 上手くしゃべれず口ごもりながら話を切り出すと、

涼介と紅は不思議そうな顔で見てきた。

みのりは、続きを待つ彼らの視線に怯みそうになりつつ、

一気に捲し立てる。


「今日、時間を貰ったのわね。

その、ふ、2人に伝えたいことがあるの!」

「ん? あ、そうか。話があるって言ってたね。

ええっと、良いことなのか、な?」


 涼介がゆったりとした口調で相槌を打つ。

みのりは緊張のあまり彼の質問には答えず、そのまま話を進めた。










一つ前を読む   GPの部屋に戻る   次を読む