Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
五
I
これでは話が堂々巡りだ。
涼介は山波の肩へ手を置いた。
「その時のお気持ちは、僕たちもよく理解していますから。
結果オーライですよ」
重い雰囲気を変えようと、慣れないながらも親指を立ててみせる。
顔をあげた山波の眉間には困惑したように皺が寄っていた。
「しかし……」
納得がいかない様子で言葉を濁す山波へ、みのりが微笑する。
「涼介の言う通りですよ、山波さん。
あなたのおかげで涼介も市長と話し合うことができたんですから」
みのりの言葉に涼介は深く頷いた。
「その通りです。山波さん、本当にありがとうございました」
「みのり様、梅畑の坊ちゃん……」
改めて礼を述べると、山波がまたしても瞳を潤ませた。
「それはそうと飛田さんは山波さんのお弟子さんになったのですね」
山波の後ろ側へ控えていた飛田は名を呼ばれてビクリと身体を震わせる。
「へ?! あーは、はあ、ええっとその。あの、はい……」
やっとのことで話の意味を理解したのだろう。
頭をかいて照れ笑いを浮かべた飛田へ山波が早速叱責した。
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