Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
五
I@
「腰の抜けた返事すんじゃねえ! しっかりお答えしねえか、飛田!」
「は、はいぃ!」
山波の怒号に飛田が文字通り飛び上がった。
だが、珍しく飛田の頭から角はでていない。
(珍しいな……)
これも弟子に入った効果なのか、それとも……。
考えていると、みのりが身体を寄せてきた。
「これも黄金梅の恩恵なのかしらね」
みのりがささやいてくる。
ちょうど自分に聞える程度の小声に、涼介も呟くように返答した。
「そうなのかもしれないね」
「お父さん! 正志君をそんなふうにいじめないでって言ってるでしょう!」
そうこうしているうちに芽衣子が膝を立て、山波へ食ってかかる。
だが、何故かみのりがくすりと肩を揺らした。
「ふふふ。芽衣子さん、飛田さんのことを名前で呼ぶようになったんですね」
言われてみればそうだ。
涼介は芽衣子たちの変化にはっとして、まじまじと2人を見遣る。
「へ? あ、あの、はい……」
恥ずかしげに両頬を手で覆う芽衣子の隣では、
耳を赤くして頭をかく飛田の姿があった。
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