Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





IB




「そうねえ。そうなるのかもねえ」


 芽衣子が飛田の言葉に同意した。碧が感嘆の声をもらす。


「飛田さんもやるときはやるもんですね」

「良かったですね山波さん、奥様」


 みのりは満面の笑みを山波夫妻へ向けた。


「ふふふ、ありがとうございます」


「何寝ぼけたこと言ってやんだ!

大事な紙とゴミの区別もつかねえ奴に娘はやれるか!」


 喜ぶ和子とは反対に山波の怒号が飛ぶ。

みのりはその声に驚き、まばたきを繰り返した。


(どういうこと?)


「え? じゃあ、まだ認めたわけじゃないんですか?」


 涼介がこちらの気持ちを代弁するかのように質問した。

山波が我が意を得たり、と言わんばかりに首肯する。


「おおうよ! あんな簡単なことも理解できないようじゃ

うちの婿になれるわけがねえ!」


 バシッという鋭い音と山波の言葉に、それまで幸せいっぱい

だった芽衣子の顔が一瞬で翳った。

しかし、それはすぐに怒りの形相へと変わる。


「そんな! 一生俺についてこれるかって言った時、

正志君ちゃんとはい、って返事したじゃない!」


 芽衣子は飛田の腕を掴み、山波へ詰め寄った。










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