Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
五
IB
「そうねえ。そうなるのかもねえ」
芽衣子が飛田の言葉に同意した。碧が感嘆の声をもらす。
「飛田さんもやるときはやるもんですね」
「良かったですね山波さん、奥様」
みのりは満面の笑みを山波夫妻へ向けた。
「ふふふ、ありがとうございます」
「何寝ぼけたこと言ってやんだ!
大事な紙とゴミの区別もつかねえ奴に娘はやれるか!」
喜ぶ和子とは反対に山波の怒号が飛ぶ。
みのりはその声に驚き、まばたきを繰り返した。
(どういうこと?)
「え? じゃあ、まだ認めたわけじゃないんですか?」
涼介がこちらの気持ちを代弁するかのように質問した。
山波が我が意を得たり、と言わんばかりに首肯する。
「おおうよ! あんな簡単なことも理解できないようじゃ
うちの婿になれるわけがねえ!」
バシッという鋭い音と山波の言葉に、それまで幸せいっぱい
だった芽衣子の顔が一瞬で翳った。
しかし、それはすぐに怒りの形相へと変わる。
「そんな! 一生俺についてこれるかって言った時、
正志君ちゃんとはい、って返事したじゃない!」
芽衣子は飛田の腕を掴み、山波へ詰め寄った。
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