Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
D
「私の方でも会長さんにはお詫びとお礼のお手紙を
送らせていただきます」
みのりが告げると、山波が顔をあげた。
(本当だったら初めて会った頃にすべきだったのよね……)
すっかり忘れてしまっていたことが悔やまれる。
山波は怒ってないと言っていたが、
会長に無断で『黄金梅(うめ)の実を守る会』所有のものを使って
しまったのだ。ここで筋を通さないと、『守る会』との関係性にも
響いてくるかもしれない。
それに、山波と『守る会』の関係が悪くなっても困る。
みのりは山波を安心させようと言葉を重ねる。
「山波さんが黄金梅を育ててくれたおかげだと
お伝えさせていただきますね」
本当に山波にはお世話になった。
みのりが感謝の気持ちを込めて伝えると、山波は恐縮した様子で
頭を振る。
「もったいないお言葉です」
腰を曲げる山波の背後で、芽衣子たち家族が嬉しそうな笑みを
彼へ向けていた。
(いい家族ね……)
獣人である飛田が交じっていてもなんら違和感がない。
むしろ飛田がいることでさらにまとまっているようにみのりには
見えた。
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