Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





D




「私の方でも会長さんにはお詫びとお礼のお手紙を

送らせていただきます」


 みのりが告げると、山波が顔をあげた。


(本当だったら初めて会った頃にすべきだったのよね……)


 すっかり忘れてしまっていたことが悔やまれる。

山波は怒ってないと言っていたが、

会長に無断で『黄金梅(うめ)の実を守る会』所有のものを使って

しまったのだ。ここで筋を通さないと、『守る会』との関係性にも

響いてくるかもしれない。

それに、山波と『守る会』の関係が悪くなっても困る。

みのりは山波を安心させようと言葉を重ねる。


「山波さんが黄金梅を育ててくれたおかげだと

お伝えさせていただきますね」


 本当に山波にはお世話になった。

みのりが感謝の気持ちを込めて伝えると、山波は恐縮した様子で

頭を振る。


「もったいないお言葉です」


 腰を曲げる山波の背後で、芽衣子たち家族が嬉しそうな笑みを

彼へ向けていた。


(いい家族ね……)


 獣人である飛田が交じっていてもなんら違和感がない。

むしろ飛田がいることでさらにまとまっているようにみのりには

見えた。










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