Gold Plum
最終章
再生
〜みのり&涼介の場合〜
六
G
「あー。なんだか急にお腹がすいてきたわ。涼介は大丈夫?」
車の中に戻ったとたん緊張が解けたのだろうか。
朝から感じなかった空腹感に、みのりは腹部を押さえた。
涼介がくすりと小さく笑う。
「俺もお腹ペコペコだよ。まあ、ファミレスで食べればいいしさ」
涼介がミラー越しに爽やかな笑みを向けてきた。
みのりも自然と顔を綻ばせる。隣で紅がぽつりと呟いた。
「アイス……」
(本当に紅ってアイスが好きなのね)
自分も好きだがここまでではない。
さっき野臥間宅と山波宅で、どら焼きを食べていたが、
まだ食べられるのだろうか。みのりは感心しながら紅を眺めた。
「すぐにつきますよ」
碧の言葉に涼介が反応する。
「ありがとうございます」
「それにしてもせっかくのデートだというのに申し訳ありませんね、
涼介君。ですがお嬢様とお付き合いするということはこういう状況に
なるのが当たり前だと考えていただけるとありがたいですね」
碧が一息で言い切ったセリフは、どこか涼介を試すような物言いに
みのりには聞こえた。
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