Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





G




「あー。なんだか急にお腹がすいてきたわ。涼介は大丈夫?」


 車の中に戻ったとたん緊張が解けたのだろうか。

朝から感じなかった空腹感に、みのりは腹部を押さえた。

涼介がくすりと小さく笑う。


「俺もお腹ペコペコだよ。まあ、ファミレスで食べればいいしさ」


 涼介がミラー越しに爽やかな笑みを向けてきた。

みのりも自然と顔を綻ばせる。隣で紅がぽつりと呟いた。


「アイス……」

(本当に紅ってアイスが好きなのね)


 自分も好きだがここまでではない。

さっき野臥間宅と山波宅で、どら焼きを食べていたが、

まだ食べられるのだろうか。みのりは感心しながら紅を眺めた。


「すぐにつきますよ」


 碧の言葉に涼介が反応する。


「ありがとうございます」

「それにしてもせっかくのデートだというのに申し訳ありませんね、

涼介君。ですがお嬢様とお付き合いするということはこういう状況に

なるのが当たり前だと考えていただけるとありがたいですね」


 碧が一息で言い切ったセリフは、どこか涼介を試すような物言いに

みのりには聞こえた。










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