Gold Plum





最終章


再生


〜みのり&涼介の場合〜





I




「あ、ここのアイス本当に美味しいですよ 碧さん」


 碧へ話しかけるのとほぼ同時に、紅がみのりの手を取った。


「お嬢さま、行こ」

「わ、わかったわ。だからそんなに引っ張らないで紅」


 ぐいぐいと手を引かれ、みのりが戸惑ったような声あげる。


「あ、ちょっとま……」


 涼介が慌てて追いかけたそのときだった。


「あれ?」


 対向車線の歩道に、見覚えのある顔を見つけ立ち止まる。

背の高い眼鏡姿の男性と車椅子に乗った年配の女性だ。

様子を窺っていると、みのりが走り寄ってきた。


「どうしたの?」


 側にやってきたみのりが見あげてくる。

涼介は視線を外さぬまま顎で歩道を示して見せた。


「あれって、高松……さん、じゃないかな? ほら、道の向こう側」


 みのりがえ、と驚き、視線を移す。


「あ、本当だわ」


 口に手をあて目をしばたたかせるみのりに、涼介は再度尋ねた。










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