スイーツ娘、村へ帰る。
第一章
2−1
「何よ、こりごりって」
アローナは眉間に皺を寄せクロナを見る。
「アローナのお菓子を食べさせられることがだよ!」
クロナがいきり立ったように足を踏み鳴らした。
(いつもと言ってることが違うじゃない!)
アローナはむっとしてクロナを見やる。
「おいしいっていつも言ってたじゃない」
頬を膨らませて答えると、クロナが一歩踏み出してきた。
「それは時々だよ! おいしい時もあるよって言っただけだろ!」
「じゃあ言ったってことは確かじゃない! 何が不満なのよ」
ご立腹らしいクロナへ向い、アローナは首をかしげる。
だったら、とクロナが腕を組んで睨みつけてきた。
「自分で食べてみればいいだろ!」
「あら、それはダメよ。マズかったら嫌じゃない。悲しいし」
「なんだよ、それ!」
あっさり本音を口にすると、
クロナがこれ以上ないほど目を剥いてきた。
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