スイーツ娘、村へ帰る。



第三章





「カリナさん! よかった、会えて!」

 アローナが走り寄ると、カリナが首をかしげる。

「もしかして、クルミ?」

「はい。あったら分けて欲しいなって思って……。

もう売り切れちゃってますか?」

 諦め半分で尋ねてみると、カリナが頷いた。

「ええ。今日入荷した分はもう全部でちゃってて。

でも、明後日にはまた入荷するわよ」

「明後日かあ。間に合うかもしれないけど、でもちょっとギリギリかも……」

 カリナからの情報にアローナは唸る。

間に合わないわけではないが、

失敗しないように作るにはそれなりに練習しないとならない。

「それってクロナ君との勝負のこと?」

 カリナに問われアローナは顔をあげた。

「あ、やっぱり知ってました?」

「イルミラちゃんのお屋敷の人が来て話してくれたから。

で、もうお菓子は何を作るか決まったの?」

 カリナの質問にアローナはかぶりを振る。

「それがさっぱりで……。

クロナのほうはもう決まってるのかしら?」

 問い返してみると、カリナが残念そうに眉根を寄せた。










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