スイーツ娘、村へ帰る。



第四章





 待つことしばし、カリナが階段を上がってくる音が聞こえてきた。

「これだけなら置いてあるけど……」

 アーモンドにピーナッツ、マカデミアナッツなどなど、

カリナが両手いっぱいの籠を机の上に置いていく。

アローナはその分量を見て頬杖をついた。

「試しに使うだけなら足りそうだけど……」

 呟き、横にいたカリナを振り仰ぐ。

「これ全部、試合当日にはまた入荷してますか?」

 初めてのお菓子に挑戦するだけに、たぶん相当数失敗するだろう。

その結果理想的なものが出来上がったとしても、

試合当日に材料がなくなってしまっては意味がない。

アローナは祈るような気持ちで、

腕を組み思案中らしいカリナの言葉を待つ。

一息おいて、カリナが小さく頷いた。










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