スイーツ娘、村へ帰る。
第四章
9
待つことしばし、カリナが階段を上がってくる音が聞こえてきた。
「これだけなら置いてあるけど……」
アーモンドにピーナッツ、マカデミアナッツなどなど、
カリナが両手いっぱいの籠を机の上に置いていく。
アローナはその分量を見て頬杖をついた。
「試しに使うだけなら足りそうだけど……」
呟き、横にいたカリナを振り仰ぐ。
「これ全部、試合当日にはまた入荷してますか?」
初めてのお菓子に挑戦するだけに、たぶん相当数失敗するだろう。
その結果理想的なものが出来上がったとしても、
試合当日に材料がなくなってしまっては意味がない。
アローナは祈るような気持ちで、
腕を組み思案中らしいカリナの言葉を待つ。
一息おいて、カリナが小さく頷いた。
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