卵のつがい



第二章





 思いもよらぬエポックの登場に、ミラは愕き目を見開く。そして、

アルフたちの邪魔をしないように小声で問い詰める。


「エポック! なんであんたがいるのよ」


 しかし、彼の口からはこちらの問いとはまったく関係のない言葉が

発せられた。


「あれがお前の彼氏か?」

「だから、彼氏じゃないし。じゃなくて、質問に答えなさいよ!」


 眉間にしわを寄せ睨みつけると観念したのか、エポックが降参と言

わんばかりに両手をあげ説明を始めた。


「ほら親父が村長さんと意気投合しちゃっただろ? だからその代わ

りに挨拶回りしてんだよ」

「ああ、なるほど」


 怖面のピックスを笑顔のまま迎えた村長を思い出しミラは納得する。

始終笑みを絶やさなかった村長を脳裏に浮かべていると、からかいを

含んだ声音が聞こえてきた。


「それにしてもあれが噂の彼氏かー。ほー。頭よさそうな顔だな」

「ちょっと人の話聞いてるの?」


 ミラは再度蒸し返してくるエピックにイライラし、大きな声を出す。

その声にイースを心配げに見ていた少女が振り返った。










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