卵のつがい
第三章
2
(昨日は全然イースと話せなかったなー)
今日だったら話すことができるだろうか。
アルフたちとの話が終わったあと、
イースに話しかけようとしたのだがうまくいかなった。
森への案内を頼まれてしまったせいだろう。
アルフと忙しそうに話し合っていたイースと目が合うことはなかった。
しかもエルからセレナを紹介され、
ミラはイースと言葉を交わすことなく別れることになってしまったのだ。
(でも逆に話せなくてよかったのかも……)
心の準備もできていない状態だったため、
話せたとしても上手く言葉が出てこなかっただろう。
逆に気まずい思いをしていたかもしれない。
一晩経った今日なら普通に話せるはずだ。
(……仕事中に話したらやっぱりまずいかしら?)
ふいに浮かんできた考えに足が止まる。
イースと知り合いだからとはいえ、
本来の目的はアラバの森の探索だ。
仕事をおろそかにするつもりはないが、
他の同僚たちから見れば真剣みが足りないと思われるかもしれない。
ミラは腕を組み唸った。
一つ前を読む 小説の部屋へ戻る 次を読む
|