卵のつがい
第三章
11
(そういえば初めてあったときもちゃんと挨拶してわね)
自分が早合点をしただけとはいえ、
なんとなく肩透かしを食らったような気分だ。
イースの頼りない見た目のせいだろう。
どうしても出しゃばってしまいそうになる。
(あたしってこんなにおせっかいだったかな?)
まだ話を続けているイースの優しい声を聞きながらミラは
内心で首を傾げた。
「微力ではありますが、よろしくお願いします」
「イースありがとうな。エルもありがとう。
それじゃさっそく行くとしよう」
二人の挨拶が終え、ピックスが再び前へ出る。
そして手に持っている地図を広げた。
王都までの道のりが簡易的に描かれている地図の中央へ
ピックスがおもむろに指を滑らす。
そこにはこれから向かう森が記載されていた。
「とりあえず学園へ向かう道順で森の中をエルに進んでもらう。
イース、すまないが君には最後尾から一緒にきてもらいたい」
あらかじめ相談しあっていたのだろう。
ピックスの言葉にエルとイースが頷くのが見えた。
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