卵のつがい



第三章

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(そういえば初めてあったときもちゃんと挨拶してわね)


 自分が早合点をしただけとはいえ、

なんとなく肩透かしを食らったような気分だ。

イースの頼りない見た目のせいだろう。

どうしても出しゃばってしまいそうになる。


(あたしってこんなにおせっかいだったかな?)

 まだ話を続けているイースの優しい声を聞きながらミラは

内心で首を傾げた。


「微力ではありますが、よろしくお願いします」

「イースありがとうな。エルもありがとう。

それじゃさっそく行くとしよう」


 二人の挨拶が終え、ピックスが再び前へ出る。

そして手に持っている地図を広げた。

王都までの道のりが簡易的に描かれている地図の中央へ

ピックスがおもむろに指を滑らす。

そこにはこれから向かう森が記載されていた。


「とりあえず学園へ向かう道順で森の中をエルに進んでもらう。

イース、すまないが君には最後尾から一緒にきてもらいたい」


 あらかじめ相談しあっていたのだろう。

ピックスの言葉にエルとイースが頷くのが見えた。










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