卵のつがい



第三章

18



「仲がいいんだね」


 イースが眉間にしわをよせ、呟く。


(やっぱり迷惑だったのかな?)


 アルフに言われても断るべきだったのかもしれない。

イースの気持ちも考えず喜んでしまったが、

きっと医師になるための勉強をしたかったのだろう。

目が合ってもすぐに逸らされてしまうのもそういう理由からに

違いない。


(それなのにあたしったら……

イースのこと応援するとか言って邪魔しちゃってるんだわ)


 これではイースが怒っても無理もない。

ミラは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


「仲なんてよくないぞ。まあ、こいつとは長い付き合いだからな」


 自己嫌悪に陥っている自分に代わり、

微妙な空気に気づいていないエポックがイースの質問に応える。


「そう、なんだ……」


 呑気に話すエポックをありがたく思う反面、

なぜこの居心地の悪い雰囲気に疑問を抱かないのかと不思議に思う。

しかしながらイースの曖昧な返答に何かを感じとったのかもしれない。

エポックが別の話題を振ってきた。










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