卵のつがい



第三章

27



「だよなー。案外イースも一目惚れしてたのかもな」

「それってどういう意味? 

イースも、あ、あたしが好きってこと?」


 まさかそんなはずはない。

アラバの村に来てから未だにちゃんとした会話すら

していないのだ。

きっとエポックたちの思い違いだろう。

そう思いつつもミラは、

一縷の望みをかけてピックスたちの会話に飛びつく。

しかしエポックから胡乱な目つきを向けられてしまった。


「はぁ? 付き合ってるんだから

そんなこと聞くまでもないだろう?」

「だからイースとはそんなんじゃ、

ううん、今はそんなことどうでもいいわ。

エポックたちの勘違いじゃないの? 

さっきだってすごく冷たい目で見られたし……」


 こちらを見ようともせず去って行った

イースのことを思い出し、ミラは肩を落とす。

だが、エポックから間髪入れずに否定された。


「勘違い? ないない」

「あーそうだな。

あれはミラの言葉に傷ついたって感じだったぞ」


 エポックが呆れた様子で手を振る。

ピックスが同意しながら追加情報を補足してくる。

ミラはさらに肩を落とした。










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