卵のつがい



第四章





 ミラは幼馴染みの不可解な行動を不思議に思い、

エポックの視線の先へ顔を向ける。

そこには艶やかな黒髪を後ろ一つで束ねている

女の子が立っていた。


(キレイな子)


 日に焼け黒くなっている自分とは正反対なほど

きめのこまかい真っ白な肌だ。

やはり王都の近くにある学園だ。

自分たちとは何かが違う。


(そういえばイースだって田舎っぽい顔じゃないものね……)


 寝癖とよれよれの服を着ているから

野暮ったく見えてしまうが、元々顔は整っているのだ。

きちんとした格好をすれば、

目の前に立っている少女の隣に立っても見劣りはしないだろう。


(イースのそばにはこんなに綺麗な子がいっぱいいるのかしら?)


 自分の容姿に劣等感を抱いたことはないが、

少女の姿にミラは少し落ち込んだ。


「あの? もしかして具合でも悪いんですか?」


 こちらが何も話さないのを見て勘違いしたようだ。

心配気な顔で覗き込んでくる人がいた。どうやら少女の連れらしい。

エポックより少し背の低い

爽やかな好青年といった相手の顔が近づき、

ミラは慌てて目的を告げた。










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