卵のつがい



第四章





「あ、ごめ、ごめんなさい。勉強の邪魔するつもりなかったの。

ただイースに会いたくて」

「会いたくてだって?

  会って、それで僕にエポックさんとの仲を祝福してくれとでも

言うのかい?」


 悲痛そうなイースの訴えにミラは思考が停止する。


「え? エポック? なんで?」


 なぜ関係のない幼馴染の名前がここで出てくるのだろうか。

訳がわからずミラは首をかしげる。

だが、それがいけなかったのかイースが怒りをあらわに見据えてきた。


「なんでって、当たり前だろう君の彼氏なんだから!」


 イースの言葉に目を丸くする。


「はぁ?」


 素っ頓狂な声をあげると、

今度はイースのほうが戸惑ったようにまばたきを繰り返す。

そして確認するようにもう一度同じ言葉を口にした。


「え? だから、エポックさんが君の彼氏なんだろう?」


 眉間にしわを寄せ見つめてくるイースに

ミラは視界がぶれるほど激しく首を横に振った。










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