まどろみの向こう側I@


(似てる……)

 自らが死絶えたあの時、

街で出会った彼の子供と面差しが。

そこはかとなくではあるが、確実に。

『ジョーイ』は瞳を閉じ深く息をついた。

(今度こそ、だ)

 終わらせることができる。

すべてが上手くいくのだ、きっと。

『ジョーイ』はスカートの左ポケットへ片手を入れ、

不思議そうに顔を覗き込んでくる彼女との距離を、

また一歩縮めた。

入れていた左手を慎重にポケットから引き出すと、

意を決しゆっくり彼女へと差し出した。











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