運命の日。 アルマは銀杏の青葉が揺れる木漏れ日の下、 痩せ細り、今やすっかり年老いていた子供と再会した。 老人はアルマを認めると感極まったように泣き崩れ、 それから震える唇をそのままに、ゆっくりと口を開いた。 紡がれたのは、ごく短な言葉。 けれど、2人にとってはその一言で充分だった。 老人は微笑んだ。 それからアルマへ古ぼけた赤いリボンを手渡すと、 その瞳を永久に閉ざしたのである。