約束は、こうして果たされた。 アルマは大きな銀杏の木の下で穏やかに息を引き取った老人を静かに横たえると、 向かいの教会へと走った。 そして、もはや近くには親族も知り合いもなかった老人を、 大人たちにせがんで銀杏の木の根元へと埋葬した。 交換するはずだった小人の抱き人形は柩とともに納められ、 アルマの手元には赤いリボンが残った。 埋められていく柩を見つめながらアルマは思った。 これで罪は購われた。 自分の役目は終わったのだ、と……。