■エポニーヌのナンバー
美奈子さんのエポニーヌはとても心をうつものでした。エポニーヌの歌で、特に印象の残るところを書いてみます。
大人になってからのエポニーヌは、1幕の最後の方に登場しますが、特に2幕の最初から、砦のシーンまで、観客を泣かせます。
・オン・マイ・オウン(On My Own)
エポニーヌのソロです。レ・ミゼラブルのナンバーで一番有名かもしれません。
2幕の最初の方で、マリウスから預かったコゼットへの手紙を、バルジャンに渡した直後に歌います。マリウスへの片思いの心情を切実に歌う歌です。
・恵の雨(Little Fall of Rain)
エポニーヌは、コゼットへの手紙をバルジャンに届けた後、マリウスのいる砦に戻ります。しかし、怪我のため、マリウスの手の中で息を引き取ります。その時に、マリウスと歌う歌が、「恵の雨」です。メジャー(長調)のメロディーなのですが、エポニーヌ役とマリウス役の歌唱力と演技力によって、とても、もの悲しく聞こえます。
美奈子エポニーヌは、特に、「恵の雨」のところが良いという人が多くいます。多くの観客の涙を誘います。
・心は愛に溢れて(A Heart Full of Love)
マリウスとコゼットが愛を語り合うシーンで、2人の掛け合いの歌なのですが、最後の方で、エポニーヌが2人にかぶせる形で片思いの心情を歌います。時間的には短いのですが、3人の声の重なりの美しさと、エポニーヌの切ない心情が良く分かります。