ミス・サイゴンというミュージカル

 Miss Saigonは、1989年9月に、ロンドン ドルリー・レーン劇場で初演されました。プロデュース:キャメロン・マッキントッシュ、音楽:クロード=ミッシェル・シェーンベルグ他といつLes Miserablesと同じスタッフによる作品であり、また、実物大のヘリコプターやキャデラックが登場するという派手な演出で、話題を呼びました。

 オペラ「蝶々婦人」のベトナム戦争版と称されましたが、主人公のキムは、ベトナム人の少女です。主役のキャスティングは、英語が堪能で歌唱力のある人という条件で、世界中からオーディションで選ばれました。最終的に決定したのが、Lea SalongaとMonique Wilsonという2人のフィリピン人です。

   その後、1991年4月に、ブロードウェイ公演が始まりましたが、主演は、やはりロンドン・オリジナルキャストのLea Salongaでした。

   日本公演は、1992年4月に始まりますが、全キャストがオーディションで選ばれ、また、キャスト全員、1年もの間、「ミス・サイゴン・スクール」で基礎から練習するといういう力のいれようでした。

 日本のキム役は、本田美奈子と入絵加奈子の2名が選ばれました。
 日本公演は、日本では異例の1年半に渡るロングランとなりました。


 

本田美奈子キム

 本田美奈子さんは、それまで、ミュージカルとは何の接点もありませんでしたが、オーディション締切直前に応募し、最終的に主演に抜擢されました。
 その後、1年、歌にダンスに鍛え直した本田美奈子さんの声は、それまでとは別のものになっていました。また、ミュージカル特有のドラマティックな歌い方を身につけ、その後のすごい迫力の歌い方の基礎となりました。
 後に紹介するライブ盤のCDを手に入れて、是非、「命をあげよう」を聴いてください。きっと感動すると思います。「命をあげよう」の最初の部分は、音量が低いなと思うかもしれませんが、試しに、出だしの部分がある程度の音量になるようにボリュームを調整してください。すると、歌が終わりになるにつれて、すごい音量になることに気がつくでしょう。舞台では実際にそれぐらいの迫力で声がせまってきます。