Romeo&Juliet  
           at 東京グローブ座・サンケイホールブリーゼ

    2009.3.13,14(2部)
    


「上田くんが、こんどは舞台をやる。」
「しかも、知らない人なんてほぼいないだろうと思われる名作『ロミオとジュリエット』を。」
そんな知らせがあったのは、まだまだ9月のソロコンサート『MOUSE PEACE』の余韻も抜けきらない頃でした。

あたしは正直、「上田くんの演技力」というものについて「いいよ!」っていえるほどの材料は持ち合わせてはいませんでした。
舞台でのほんの少しの台詞、それから何年も前の「恐い日曜日」かなんかでの中丸くんとのたどしい演技。
マウピの余韻も強かったあたしは、正直「舞台よりもマウピのの追加公演でいいやん、そのほうがきっとお客さんも嬉しいしファンも安心やん」とか思ってました。

それでも…そうは思いつつも、上田くんひとりでの初舞台。
仁ファンでありつつ上田くん大好きなあたしとしては見逃すわけにはいかず、やはり当然のように申し込んでました。「え、東京にも!?」と驚かれつつ。
だって…会場の形が片や円形、片や縦長で、共通点は収容人数くらいしかないほどの東西での異なり具合だったので…それぞれの形を観たいとも思ったし、それにやっぱり、「大阪まで待てない」みたいな気持ちもあったのです。
そんなわけで、観てまいりました。
キャパの小ささもあって流石に激戦で(大阪は公演数も少ないし)、そのため予定の回数はだいぶ減っちゃったんですけどね。

頑張ってネタバレは避けてたものの、そもそも演目が「ロミオとジュリエット」っていう時点で既に壮大なネタバレになっとるやんけーと自分にツッコミつつ。
マウピを実際にご覧になって上田くんのイメージで書かれた、という脚本による「上田ロミ男」を、新鮮な気持ちで楽しんでまいりました。
これは、そんなあたしによる覚え書きです。

できるだけ流れに沿いたいと思いつつ、でもドリボみたいにパンフレットに場面のタイトルが掲載されてたりするわけではなかったので、ちょっと(いやかなり)曖昧になってる部分もあるかと思います。各場面のタイトルみたいなやつも、あたしが適当につけたものです。
メモはとってたんですが、完璧じゃないし。特に台詞に関しては正確なものは書けません。
しかもいつものことですが、複数公演がごっちゃにもなってます。

そんなんでよろしければ、どうぞ、です。(いつもながら前置き長いな)


***


そもそも東京グローブ座とは、かつてイギリスでシェークスピアの演劇を上演していた劇場、「グローブ座」を模してつくられた劇場。
その円形の劇場の中、円形のステージが客席の前方に張り出したような形で設置されています。客席からそのままステージの上がれるよう、円形の周囲全体が数段の階段になっています。
そして円形ステージの奥には、高く天井まで伸びる階段。高くなるにつれて高さの幅が長くなり、逆に足をのせる部分は狭くなっていきます。横から見てたらちゃんと最後まで立体的にできてました。上まで登ったら恐そうだ。
階段の両脇に、ステンドグラスが浮かび上がる大きな窓。
その両脇、メインのステージよりちょっと高いところに小さめのステージ。(登るための階段もあり)
あと、ステージ両脇には高い塔のように立ったセットがあって、上手側には塔の入り口のようになってる出入り口、下手側の上のほうにはそこから顔を覗かせることのできる窓があります。
メインのステージと階段部分には、薄くて大きなレースみたいな模様が全体に施されておりました。
それと、客席の2階席・3階席前のバルコニー状になってる部分全体にロウソクが飾られています。これも舞台のひとつという感じ。

この舞台上で、全ての場面が展開されていきます。
セットが変わるのは、窓がステンドグラスにかわるのと客席全体のロウソクが灯るか消えるか、それくらい。あとは役者の衣装や台詞で、「今ここは街頭なんだな」とか「教会なんだな」とかが判断できるようになってます。(わかりにくそうなのに、すごくわかりやすかった。内容がわかってるせいもあるとはおもいますが。)

ちなみにあたしは、13日は円形のステージを下手側の真横から観る形の特設席、14日は2階下手寄りの最前列で観させていただきました。
どちらも観やすく、特に特設席は横からとはいえほんとうに近くで観れて、感動でした。


***


■教会 -プロローグ-

最初に、優しくて美しい、でも悲しい…そんな音楽が流れ。
ステージの両サイド、それとステージに一番近い客席出入り口、下手側の1扉と上手側の6扉から、ロウソクを手にしマントのようなものを被った人たちがぞろぞろと入ってきます。そしてぐるぐると歩きつつ、賛美歌?を皆で歌います。
そして、その最後にロレンス神父(寺田農)が登場。…寺田さん、髪がソフトモヒカンです。現首相と似た感じのお顔(勝手に思ってる)に、すごくいいお声。結構好きな俳優さんです。

ここで、民に対して神父の「恋」についての講釈が語られます。
民は口々に「恋!」「恋!」と声をあげつつ、一心に神父の講釈を聞きます。
このとき最初は全員声を揃えて「恋!」って言ってたのが、途中から気もそぞろな感じでバラバラに「恋!」「恋…」って呟く感じに。

やがて、モンタギュー家とキャピュレット家の敵対の話へ。
ロミオのお父さんとジュリエット両親もここで登場します。そして、まだ生まれたばかりのロミオ様(人形)も登場。
ロミオ誕生を喜ぶお父さんにキャピレット家のふたりは「奥様は出産で命を落としお気の毒ですこと」と嫌味を言いますが、ロミオ父は「女房は替えがききますからな」てな感じであっさり切り替えしジュリエット母は「んまあ!」みたいに憤慨します。そしてキャピュレット家のふたりは「ええい、うちにも今すぐ跡取りを!」みたいな感じに。

ここで、ロミオとジュリエットの登場です。
舞台奥両脇の高くなっている部分に、下手にジュリエット(小林涼子)、そしてそして、上手にロミオ(上田竜也)が登場します…!!!

ワイドショーでちょっと観てしまっていたものの、そこには初めて生で観るロミオ様。
大きな襟の白いシャツの両袖はやはり大きく膨らみ、その先を手首のところできゅっと締めたスタイル。濃い青のパンツとベスト?を身に着け黒いブーツを履いたその姿は…ああ、本当に「ロミオ様」。
ジュリエットのほうは濃いピンクのドレスに身をつつみ、可憐な姿で立っています。

この2人の姿はイメージ映像?的な扱いで、ロミオだけがそこから円形ステージを横切り、客席の間を通って1扉から出て行きます。
1扉側だったあたしは、すぐそばを上田ロミオが通過していくのを息をのみながら見ていました…!!


■街の中 -ロミオ登場-

教会にいた民達がマントをはずすと、街の男女の姿に。物売りたちです。
手に野菜や果物などを持っています。

そこにロミオの従兄弟であるベンヴォーリオ(白倉裕二)や、ロミオの親友マーキューシオ(山下翔央)も登場します。
大公の親戚らしいマーキューシオですが両親はおらず、モンタギュー家にお世話に?なっているらしい。そして船乗りになりたいらしいです。衣装は紫色。
ベンヴォーリオは反物とかを持ってて、なんかお裁縫とかが好きなキャラらしく、ロミオパパの服のデザインとかもしているらしい(笑)。

街の人たちがわいわいしているところに、ジュリエットの従兄弟ティボルト(長谷川純)が登場。カラシ色の衣装です。あ、ちなみにハセジュンもソフトモヒカンだった。
なんか「なんとかかんとか補佐」って偉い役職を得た(役職の名前は覚えてません)らしいティボルト、さわぐ街のひとたちよりも高いところに立って偉そうに「お前らは減点だ!」とか言ってます。(このとき、口調も態度も偉そうなのに立ってる足元が内股になってるハセジュンがちょっとかわいかった。)

が、マーキューシオたちには「コネで役を得たのがバレバレだ」とかひたすらからかわれ、そして互いに剣をとり、戦いが始まってしまいます。
これ、マーキューシオはものすごく小馬鹿にした態度でティボルトを挑発するし、またティボルトも簡単に挑発に乗っちゃうんです…。
と、そこにエスカラス大公(大島宇三郎)が登場し、一喝!(←多分一番偉い人なのね。)
この時ヒュンヒュンヒュンッ!って感じで剣を背中にまわして大公にお辞儀をする翔央とハセジュンのしぐさが凄くカッコいいです。

ロミオパパ、ジュリエット両親もそこに登場し、「なぜ両家で仲良くできないのか」と大公に説教されます。
それでなんとか治まったものの、ロミオパパは「ここにあいつ(ロミオ)がいなくてよかった…」と安堵。
そういえばロミオパパ役の木薫さん、公演が始まって数日で骨折してしまったそうで。
あたしが見た時は杖になってましたが、直後は松葉杖だったりもしたんだそうな。
でも、動きも全然不自然じゃなかったし、なんならターンとかもしてたんですよ。すごいなあ。


キャピュレット家や大公、ティボルトが去ったあとは、ロミオの話に。
「あいつ最近変なんだ」「あいつがおかしい理由なんてどうせ…」みたいな話をしているところで…

「恋」

そう言いながら、1扉より、ロミオが登場します。上田くんの最初の台詞です。(やっとここまで書けた!)(←話を整理するのが下手糞な私…)

「恋!?」ってびっくりしつつも、ロミオにきゃいきゃいと群がる街の女達。ロミオ、モテモテです(笑)。
群がる女達の真ん中でちょこんと座ったロミオ、「おかしいと思わないか。恋をすると全てが輝いて見えるんだ」とウキウキ。「おかしいのはあんたよロミオ!」って女達に言われてます(笑)。
その時女達のひとりがうしろのほうに下がり、木製の鈴?みたいなのをカランコロン鳴らすんですが、それを聴きつつ「今だってどこからか鈴の音が聞こえる…カンコロリーン、カンコロ、リーン…」とうっとり。
鳴らしてる女の子が「だってあたいが鳴らしてるんだもん!」って言うと、ロミオその子に「紛らわしいゾッ」。

うわーおバカだ、おバカで女好きのロミオだああ(´∀`)☆

鳴らしてた女の子は「だってビスコッティ売らなきゃ、親父に怒られちゃう!」。
ロミオはビスコッティをひとつ取って食べながら、さらに喋り続けるんですが…14日のとき、台詞喋りながらビスコッティにちょっとむせてた!!Σ( ̄□ ̄;)

そして恋する思いを切々と語りながら、円形ステージをぐるぐる。女達もその後ろにぞろぞろと続いてぐーるぐる。(バターになるぞ!・笑)、その最後にロミオ、ばたりと両腕をついたかと思うと「あーロザライン!!!」
女達やマーキューシオ、ベンヴォーリオもいっせいに「ロザライン!?」

そう、この時点でロミオが恋しているのは「ロザライン」という女の子。
ここでみんな口々に、「こないだまで誰それ(女名前)だったよな」「その前は誰それ!」「その前はアタシ!」(←街の女の子のひとり)
ロミオが移り気な女好き、って感じが表現されてます。

そいで「考えすぎてお腹がいっぱいだー!」って言うロミオ。「それを言うなら頭でしょっ」と言われ、「お腹もいっぱいなんだっ」って言ってました。

でも今度は本気なんだ、とロミオ。あ、そいでなんかロザラインは巨乳らしい。(ちなみにロザラインは、語られるだけで登場はしません。)
で、突然照れながらロミオ、

「ねえ…俺ってハンサム?

このなー、照れながら聞く感じがものっすごい!かわいいんですよ!!!!
…なのだが、みんなから爆笑されてしまうロミオ。
マーキューシオは散々笑ったあと、「教えてやろうか。…そうでもねえよ!」とロミオをからかいます。
ロミオ、がっくりと打ちひしがれてます。(かわいい)

あ、そーだ。そいでこうやって話してる最中、14日のときはベンヴォーリオが円形ステージの端っこの段のところに腰掛けようとして、勢いつきすぎてストン、と一段お尻を落としちゃったんだった。
当然?客席はちょっと笑っちゃうわけですが、それにつられちゃったのか?そのあとロミオも段のところで片足を落としちゃってました。

今回の恋はなんだか自信がないんだ、というロミオ。
ロザラインはどうも恋の駆け引きを楽しんでるらしく、すげなく扱われているらしい。花とかもぽーいと放り投げるのに、そのうえでその花にかがみこみ(←これをロミオが自演してみせている)、「上目遣いで、こう…」と男達を見上げると、「谷間作戦!!Σ( ̄□ ̄;)」と男達もびっくり(笑)。

お調子者な感じのマーキューシオは「男には『刺す』道具がある」って、股間を押さえながら「フォー!!」って、サタデーナイトフィーバーなポーズを取ったりなんかして、女達から「最低!!」とか言われちゃっていました。

そうこうしてるまに、ベンヴォーリオが「舞踏会に行かないか?」とロミオを誘います。この時、手の動きが巨乳の膨らみと乳首をあらわしていて、客席もクスッってなります。んで、13日の時は客席に背を向けてる状態のロミオもちょっとこみあげる笑いをこらえきれないような顔になっちゃってました(笑)。
ちなみにこの舞踏会に行くっていうのは、「巨乳だから好きなのかロザラインだから好きなのかがまだ判らないので、他の巨乳でも心がなびくかどうかを確かめに行く…」っていうのが目的で。(どんなだよ)
ロミオ、「いざ!おっぱい天国へ!!」と声をあげ、意気揚々と6番扉から去っていきます。


■キャピュレット家 -ジュリエット登場-

ステージにひとりでぽつんと立つティボルト。ジュリエットとの結婚をジュリエットのお父さんに申し込む練習?をしているようです。

「ねえおじさん、ジュリエット、俺にくれない?」(←超軽い感じ)

これすごい笑ったんですが、そのあと「ダメだダメだー!!Σ( ̄□ ̄;)」と自らダメだししてました。(←なんかすごいかわいかった)

と、そこに1扉からバタバタバタと逃げるように走ってきたジュリエット。
薄桃色のひらひらとした部屋着をまとったジュリエット…顔は小さいわ目は大きいわ、なんかもうほんとうに、可憐でキュートで愛らしいです。
ジュリエットは奥のほうの段になってる部分で、布を被って隠れてしまいます。

そこに、ジュリエットを追ってきた乳母のバリヤ(入絵加奈子)。
「もー、またお嬢様、例のウジウジ病が!」とかなんとか。バリヤの勢いに押されて?すごすごとその場を去ろうとするティボルトですが、バリヤに呼び止められて「コレもってってくれます?」とハタキか何かを渡され、「あざーっす!!」と言われつつ去ります。

このバリヤがとにかくパワフルで、ロミオの従兄弟ベンヴォーリオと共に、この舞台の「笑いの部分」を担ってくださっている感じです。
バリヤ、そうやってパワフルでガサツな感じもありつつ…ジュリエットを本当に愛おしんでいるのが凄く伝わります。なんか乳母っていうよりお姉さんみたいにも見えます。
そしてジュリエットも、このバリヤをものすごく信頼しているよう。

自分に自信がなくてウジウジしているジュリエットは、舞踏会(ロミオが行こうとしているやつ)に行くのを嫌がって逃げているもよう。
「だって言われたものロザラインに!」と、ロザライン(ロミオが現在恋してる相手)から「あなたは魅力がなくて全体的にパサパサしてて竹ぼうきみたい」とからかわれ、まわりの人たちにも笑われた、とウジウジ。

ロザラインの名前を聞いたバリヤ、「あのお尻みたいなおっぱいの女、あれは寄せて上げてんすよっ」と一蹴。どうもロミオが恋するロザラインは意地悪な女の子のようでございます。
そして「いじわるを言うのはライバルを潰すためですよ」と宥めるバリヤ。

ジュリエットは自分に自信がないので、これからは知性が必要だと思いおよそ女の子らしくない語学や建築学、天文学やらなんやら、ありとあらゆるものを学んでいるようです。バリヤは「そんなんだからモテねぇんっすよ!」と乱暴に言い(煙草をすっぱー、と吸うゼスチャーをしつつ・笑)、何を習ってるか人に聞かれたらお裁縫とかお料理とか女の子らしいやつだけ言うようにと諭します。

そして、ジュリエットが生まれたときにその美しさにどれだか皆が喜んだか、今のジュリエットがどんなに愛らしいか、を、優しく話してなだめます。
ジュリエットはやっと笑顔になり「大好きよバリヤ!」と抱きつくのですが、「どうしても今夜の舞踏会に行かなければダメ?」とまだ嫌がってるよう。


ジュリエット・バリヤと入れ替わるように登場した、ジュリエットのパパと大公の親戚であるパリス(増沢望)。パリスは家の格は低いけどたくさんのお金をもっているひとのようです。
そこにジュリエットとの結婚を申し込みにティボルトがやってくるのですが、パリスがジュリエットパパにジュリエットとの結婚の申込みをするのを聞いてしまい、言い出せなくなってしまいます。

パリスとジュリ父は既に意気投合してしまってる模様。財産と地位という利害が一致した模様です。
ようやく話を切り出そうとするものの「なんだまだいたのか」とあしらわれてしまいます。(この時、なぜかパリスとジュリパパがユニゾンで喋ってる)
そして「これをジュリエットに…と何かを渡そうとするものの、結局渡さずにその場を去ります。


■仮面舞踏会 -ロミオとジュリエットの出会い-

着飾った人たちが仮面をつけ、「グローリアグローリア!」と賛美歌を歌い踊ります。

そこに登場したロミオ。
丈が長めの、濃い水色に金の飾りがついた上着を着たロミオ。頭には水色の長いターバンのようなものを流して巻いてます。(素敵ー!!!Σ( ̄□ ̄;))。
仲間たちから「仮面をつけろ!」と言われ、仮面を装着したロミオ。
つけおわると「シャキーン!!」っていうように、両手を左に伸ばして決めポーズをとるんです!!…ちょうどオリラジのあっちゃんが「カッキーン!」ってとるポーズみたいな感じです。でも顔はめっちゃ笑顔でかわいいんだよ…!!!!

手を取りあって前に進んできたジュリエットの両親の腕の間をリンボーダンスのようにくぐったり、「これ何の生地!?」とひとのドレスの生地に興味津々なベンヴォーリオと一緒に、体格のいい女性のドレスを前からめくってみたり…とにかく可愛らしいロミオ。
そんなロミオは「ひとが多すぎてロザラインを探せないよー」と嘆きます。


一方、ピンクのリボンのついた白いドレスに、頭に猫耳、お尻に白いしっぽをつけた本当にかわいいジュリエット。
そんな姿を見てあまりの可愛らしさに言葉を失うティボルトですが、そんなティボルトとバリヤに「あたし変じゃない?」と聞きつつ、可愛いと言われても「そんなの嘘よっ」とか「あっ、今、(ふたりが)目で合図したっっ!Σ( ̄□ ̄;)」とか、どこまでも疑い深いジュリエットです。でもそんなとこもかわいい。(←デレデレ)

ティボルトはちょっと放心状態な感じで「ジュリエット…すごく綺麗だぞ…?」と近づこうとしますが、「グローリアグローリア!」と歌い踊る人たちにあいだを阻まれてしまいます。


そうこうしているうちに歌が終わり、静かな曲が流れ出し…ロミオとジュリエットが、とうとうお互いと出会ってしまいます。

人々の間を縫うように歩きながら…目が合い、思わず逸らし、でもまた見てしまい、思わず近づこうとするロミオをジュリエットが一瞬避けるものの、やっぱり見てしまい…。
まるで一瞬が永遠になってしまったかのような、恋に落ちた瞬間のふたりです。

と、両手にワインとワイングラスを持っていたロミオ、リュリエットに気をとられていたためか?…持ってたワインボトルを落として転がしてしまいます。
ジュリエットは慌ててそのワインを、自分のドレスで覆い隠します。

ちなみにこの場面、13日の時に座ってたあたしの席からはよく見えず、なにが起こってるのかよくわからなかった。
そいで14日の時はワインが回りにいた人の足元のほうに転がってしまい、ドレスの下に隠す時にジュリエット、だいぶ手間取ってたようでした。

ロミオは「すみません、いま俺のワイン…」とジュリエットに話しかけますが、ジュリエットは緊張のためか、「大丈夫です、誰も見ていません!殿方は自分の恥を隠したいものでしょう、あなたの粗相は誰にも気付かれていないので、もう行ってください!」と一気に口走ります。ジュリエットは、ロミオが恥をかかないように隠してくれていたのですね。
けどロミオは更に手にしていたグラスをぽーいと転がし、「俺は粗相なんて平気。だから俺のワイン返してください!」と、ジュリエットのドレスをめくってワインを取り返そうとします。
びっくりしたジュリエットは「何をなさるんです!!!」とロミオを平手打ち!!!…これ14日の時、ほんとにぱちこーんとヒットしてたっぽくてちょっと痛そうな上田くんでした(笑)。
「何するんだ!!」と怒るロミオですが、ジュリエットも気が強くて言い返すんだけど、ロミオにいろいろ言われて絶句し、とうとう俯いてしまいます。

びっくりしたロミオ、「泣いちゃった?」とオロオロ。
「泣いてませんっ!」っとやっぱり強気なジュリエットに、嗚呼どうしようごめんねそんなつもりじゃなかった、どうしよう完全に嫌われてるーとおろおろしながら、「ねえ笑って?」とジュリエットの可愛いほっぺたをむにい、ってひっぱります。

ここからは毎回、アドリブの場面らしい。
高い声で「テケテケテケテケ」って言いながら欽ちゃん走りをして。(←すげえ可愛いの)
次に、急に腹ばいになったかと思うとお尻のぴょこっとあげたりおろしたりしつつ前に這って進みつつ…「イモ虫。」
ジュリエット、とうとう笑ってしまいました。(←マジ笑い)
14日は「君もいっしょにやろ!」と誘って、ジュリエットは笑いながら首を振り振りして拒否っておりました(笑)。

そして、「あーよかった笑った、ここまでやって笑ってくれなかったらどうしようかと思ったー」と安堵するロミオ。(←多分本音だ)

で、このイモ虫…13日の時はイモ虫を真後ろから見る形になったので、ぴょこんと上下する可愛いお尻を正面から堪能できました…!!!!
いやあ、ええもん見た…(*´∀`*)。

これで仲直りしたかのようなロミオとジュリエット。
ジュリエットはロミオを下町の人だと思い込み、緊張のせいもあってペラペラと、ちょっとさげすんだ感じで下町の人について語ってしまいます。用心のために「かんしゃく玉」を持ち歩いてる、とか。

するとロミオは「(君は)そっちの人ね…」と不機嫌に。
ロミオは下町の人間ではないけれど、下町によく遊びにいくのでそこでみんながどんなに苦労して生活しているかを知っている。娘を嫁に出すお金がなくて修道院に入れたという家族の話などを、「俺は知ってんだよ!」って怒りながら話します。
そしてその人たちに何もできない自分が嫌で、自分の家も大嫌いだ、と自分の思いも吐き出します。

それを聞いた素直なジュリエットは猛反省。
「ほんとうは教会にいく時に通り抜けるくらいしか下町を知らないのに、ほんとうにごめんなさい。自分が恥ずかしいわ…」と恥じ入ります。

ここでだったかな?ジュリエット、派手に転んでしまいます。
そして「あたしったら緊張して上手くしゃべれなくて、余計なこと言ってごめんなさい。本当はお話できて嬉しかったの」とモジモジ。
このなー、モジモジしてるときのジュリエットが、お尻から伸びる尻尾の飾りをもじもじと両手でもてあそんでいて、もうほんとうにほんとうに可愛いんだ!!!(T▽T)(←?)

そしてそうなの?と仲直りしたロミオ。
…2人の間に、なんだか可愛らしい空気が流れます。

「前に会った?…なんだかずっと前に会ってた気がする」とロミオが言うと、「会ってたら覚えてるわ」とジュリエット。
「会ったことがないのに初めて会った気がしない。なんだか不思議な感じ」と互いに。
「踊りだしたいけどじっとしてたい、別々の気持ちが二つある感じ」とか「今だってこんなふうに転んでも恥ずかしくない」とか、どっちかが何かを言うたびに相手が「そう!」とか「わかるわ!」とかって言って、ふたりが全く同じ気持ちでいることが伝わります。
なんだか見ているこっちもにこにこわくわくと嬉しくなってしまうような感じ。

そして、ジュリエットが「二つあった気持ちがひとつになった感じ」と言うとロミオ、「ひとつって?」
するとジュリエットは言いよどみつつ、「ひとつは、ひとつよ…」

するとロミオ、ジュリエットに近づき、そっと口づけます。(※1回目)(←無粋)

「今、何をしたの…?」と呆然とするジュリエット。
「唇と唇を…ああそんなのわかんないよっっ」と動揺するロミオ。
「唇は祈りのためのものだわ!」となおも言い募るジュリエットに、「わからない、でももう1回したい。…いい?」とロミオが聞きます。
ジュリエットは意を決したように、「…いいわ。」

でも、「もう1回」をする前にロミオの仲間たちがやってきて、「舞踏会にもぐりこんだのがバレた!」と連れ出されてしまいます。
そしてここで、ロミオは仲間たちから、ジュリエットはバリヤから、自分の恋した相手が誰なのかを始めて知らされます。

母親から「(パリスに)もうお会いになった?」と聞かれたジュリエット。
「ええ、私、運命のひとに会ってしまった…!!」と力強く答えます。


■キャピュレット家 -いわゆる「バルコニー」のシーン-

ひとりでひょこひょこと歩いてるロミオ。なんか歩き方もほんとにひょこひょことした忍び足で可愛いんだけど、片方の手で片方の手の甲をすりすり、とかしてて、なんかいたずらっ子みたいでほんとに可愛いロミオ…が、13日の時は目の前を横切っていきましたー。(うわー)
そこに、ロミオを探しにきたベンヴォーリオ。するとロミオ、円形ステージ下手側の端っこからひらりと客席に下りて身を隠します。
「ロミオくん?ロミオくーん?」(←発音が変で笑いがおこる)ってベンヴォーリオが呼ぶ時はじっと隠れていて、でも「ハンサムなロミオくーん?」と言われると「はーい」というように可愛く右手を挙げてます。ああああああ可愛くて死にそうだ!!!(しかもすげえ近くにロミオがいる!!!)
見つけられずにブツブツ言いながらベンヴォーリオが去ると、そっち(1扉のほう)に向かって笑顔でぶんぶんと手を振ります。

やっと行った、と安心したところに、ジュリエットが登場!慌てて身を隠すロミオ。
そこはキャピュレット家の庭で、ジュリエットがバルコニーに出てきたっていう体なんですよね、たぶんね。

薄いピンクの部屋着を着たジュリエット。
お風呂の支度をしているらしいバリア(声だけが聞こえる)に向かい、「恋をしたことがある?」と、嬉しそうに語りかけます。(バリア、全く聞いてない模様です。)
「例えば、例えばね、その人は名前を聞いたら誰もが嫌がるような敵の人なの!」と家の敵であるロミオのことを語りつつ、「ああロミオさま、ロミオさまロミオさま!どうしてあなたはロミオなの?」って、嬉しそうに愛おしそうに、何度も何度もロミオの名前を口にします。そいで階段のところで嬉しそうにゴロゴロ転がってるの。ううう。可愛いようー。

そこに、下手側の塔みたいな柱の2階の窓からあらわれたロミオ。(ジュリエットの話は全部聞いてる)
びっくりしたジュリエットにかんしゃく玉を投げられそうになって…このとき、14日のときだけだったと思うんですが(13日のメモに書いてないから)「いじめないでください」ってロミオがゆってた…!!(ひいいいい!!)(←狂喜)

そして再会して想いを語り合う2人。
「ねえ、俺のこと好き?」って聞くロミオ。「あ、言わなくていいや。好きでしょ俺のこと!」って、ちょっと上目線(笑)。ひいい。

そして互いが同じ気持ちであることを確かめ合い、愛を誓いつつ、でも別れ難い2人。
ジュリエットは、何度も何度もバリヤから「お嬢様ー??早くしてくださーい!」と呼ばれ、そのたびに「ごめんなさいー!!すぐに行くわー!!」と返事しています。

ロミオと幸せな時間を過ごしつつも、次にいつ会えるかも判らない…敵同士の2人のこと、こんなこと続かないかもしれない。最悪、殺されてしまうかもしれない。
そう不安がるジュリエットに、突然「結婚しよう」とロミオ。そうすれば誰にも文句は言われない、とロミオは決意します。
「結婚を申し込んだことをあの月の形で覚えておいて!」とロミオは言いますが、月が雲で隠れてしまいます。
するとロミオ

「使えねぇなあ!月!!!」と、悔しがりつつなぜか後ろ向きにでんぐり返り!!
ひいい、ロミオ(のお尻)がこっちに向かって転がってくるうううううう!!!Σ( ̄□ ̄;)

「使えないのはこの場合月じゃないと思うわ!」と、天文学を勉強してるもんだから月についてペラペラと語りだすジュリエットの口を、片手で塞いだロミオ。ちょっと、いやかなりグッときます。

ジュリエットは結婚を承諾し、バリヤはきっと話せばわかってくれるから、明日バリヤを使いに出す、と約束します。

「君はもう俺のものでもあるから、丈夫で幸せでいてくれないと…」とロミオ。
いったん別れるのですが、まだ別れ難いジュリエットが呼びとめ…「言いたいことがあるけど思い出せないわ」と言うと、「思い出すまで待ってる」とロミオ。するとジュリエットは「じゃあ思い出さないわ」。そんなジュリエットをロミオは愛おしそうに抱きしめます。

そして、「あなたはもう私のものでもあるから、丈夫で幸せでいて…」と言うジュリエット。

ほんとうに幸せな、幸せなふたり。
ここでかな?2度目の口づけを交わします。

そうしてロミオは「また明日!」と、6番扉のほうから去っていきます。
通路の途中でいったん立ち止まって振り返り、もの凄い笑顔で両手をいっぱいに伸ばしてジュリエットに向かって振ります。

…これは、あたし…
後に続く結末を知ってるだけに、既に泣いてしまいましたよ…。


■教会 -ロレンス神父とロミオ-

祭り?に向けてダンスの練習をする街の男女たち。
輪になって踊る男女の真ん中で、ロレンス神父がタンバリンを叩いています。…が、神父のタンバリン、たまに音がずれる(笑)。

ノリノリでダンス指導する神父のもとにロミオがやってきて、「今日結婚式をあげたい」と話します。
その話をする時のロミオは誇らしげにシャキーンと立っていて、ほんとうに可愛らしいです。

最初ロレンス神父はロミオの結婚したい相手をロザラインだと思い込み、「お前の結婚したい相手はなかなか大変な女だぞ?」と助言(?)。
それを聞いて「えっっそうなんですか!?Σ( ̄□ ̄;)」と動揺するロミオでしたが、2人が同時に名前を口にした時に間違いがわかり、ロミオは

13日バージョン:「おっぱい大きいあいつ!」
14日2部バージョン:「あのニセ乳!!」

ってうずくまってました(笑)。

最初は反対するロレンス神父。
まだ若すぎる…と言う神父にロミオは、

「僕はもう大人です。愛する人がいるんですから。他に大人になる条件ってなんですか?人を愛するよりもっとほかに大切なことってあるんですか?」

この台詞には、なんでだか胸を打たれてしまいました。
そう、ロミオは本当に愛するひと、守りたいひとをみつけて、きっと一日で大人になっていたのです。

ロミオのこの言葉を聞いて神父も「うむ…」と考え込みます。
「お前は頭は弱いのになかなか的を得たことを言う」とかいいます。ここで「よく言われます♪」と嬉しそうなロミオ。
そして「僕はカンもよくて、お菓子の中身が何かも全部あてれますっ!」と嬉しそう。この「ますっ」のとこで神父に敬礼するのがすごくかわいいのです。
ジュリエットをどんなに愛しているかも切々と語り…

そして神父もとうとう、ふたりの結婚を認めます。
この結婚が、モンタギューとキャピュレット、敵対する両家をつなぐことになるかもしれない。
そんな思いもあるようです。



あ、そういえばこの場面で、「猛毒」の存在が登場していました…。


■街頭 -ロミオと仲間達、そしてバリヤ-

船乗りになりたかったマーキューシオ、船に乗せてもらえることになった、という話をゼスチャーで表現。
ベンヴォーリオがつけたとんちんかんなアテレコがすごく面白かったです。「キュピーン☆」とか。(←上手く言い表せないので割愛)

そこに、結婚が決まってうきうきとやってくるロミオ。
話しかけられても上の空で、「いつにも増して変だ!」とか言われてます。

ベンヴォーリオはロミオの父親から、「最近おかしいロミオの様子をこっそり探るように」とスパイ役を命じられていたのですが、仲のよいロミオなのでそんな裏事情も洗いざらいロミオにしゃべっちゃいます。そのうえで「何があった?」と聞き出そうとするベンヴォーリオ。いいやつ。
でも神父から結婚のことを口止めされてるロミオは、言いたいけど言えない感じではぐらかします。

それでも聞き出そうとするベンヴォーリオに対し、

「うるさいモジャ男!!」

たしかに…ベンヴォーリオ、髪の毛くるくるしております…(笑)。
13日の時はさらに「そんな頭はうちの家系じゃない」とか意地悪を言い、しょんぼりしたベンヴォーリオに「ごめんね?よしよしよし」って頭ナデナデ。(可愛い…)
14日は「そんなに教えてほしいならイモムシになれ」と強要(笑)。ごねるモジャ男に「やるのやらないの、どっち?」と急にドSモードのロミオ!!!
素敵すぎる…!!!
モジャ男からは「マイブームはわかったから!」って言われてました。

そして結局、「教えてあげませんっ!」と拒否するロミオ。
すると今度はマーキューシオがロミオに剣を渡し、「俺が勝ったらその秘密を聞かせてもらうぞ!」と戦いを挑みます。
剣をかわしながら側転とかしてたロミオでしたが、剣をとったロミオ、笑顔でマーキューシオと戦います。

この姿がねええ…あ、そーいえばこの場面は最初の濃い青の衣装の、ブーツが白のバージョンなんですが。
このフェンシング場面みてるとき、なんかもう「オスカル様みたい…!!!」ってあたし、思った…。


そこに、バリヤがあらわれます。
なんか、モンタギュー家の人間のために使いに出てることが嫌そうな感じです。

でも、結婚式の段取りを書いた紙を渡すと…その内容に打たれたのか、バリヤ、突然ロミオに抱きつきます!
ロミオ、いったんバリヤを引き剥がして(笑)投げ倒すのですが、それでも起き上がってロミオに抱きつく…というかむしゃぶりつこうとするバリヤ。ロミオ、笑いながら引き剥がして投げ倒します(笑)。

そーいえばバリヤを見たベンヴォーリオ
「誰だ、あのやさぐれた頭の長い人は」って言ってて爆笑でした。
バリヤ、髪型が上に盛られた感じだったのです。


■キャピュレット家 -ジュリエットとティボルト、そしてバリヤ-

ジュリエットのもとに戻ったバリヤは、すっかりロミオが気に入った様子。
「おめでとうございます」と祝福するなか、舞台後方の階段部分に立ったままのロミオはひとり「愛してる…」と3度、呟いていました。

あ、あとどのタイミングだったか思い出せないんですが
ジュリエットがティボルトに、相手を伏せつつ結婚の話を打ち明ける場面がありました。
これからどうなるかわからず不安な私の味方でいて、と言うジュリエットに、「勿論味方になるよ」と告げるティボルト。でもその口調はもはや棒読みで、ショックの強さを表しています。

その時、ティボルトと小さい頃にレンゲの花の蜜を一緒に吸った思い出話がでてきます。


■教会? -結婚式-

前の場面の続きのまま、濃いピンクの衣装に白いベールをかぶせられるジュリエット。
階段を上り、ロミオと一緒に階段をおりてきて、円形ステージ前方に、客席に背中を向けた状態で並んで立ちます。
下手側にジュリエット、上手側にロミオ。
そうして結婚式が執り行われます。

これ、あたしは両日ともサイドからみる形の席だったので、この時のロミオの表情も見えました。
だって、何度も何度もジュリエットのほうを向くんです。ほんとうに嬉しそうな顔で…。

なんかね、もうほんとうに嬉しそうで、幸せそうで。
「誓います」って言った後ジュリエットと目を見交わし、もう嬉しくて仕方ない、って感じで、「イシシ!」って感じで笑うんです。
何度も何度も目を見交わして、いたずらっこみたいに、幸せそうに、笑うんです。


お話の結末はもう、わかってるんですよ…。
だから、こんな幸せが続かない、続かないどころか悲劇の終わりを迎えることも、わかってしまってるんですよ…。

だからだなあ。
こんなにも微笑ましい幸せな場面で、なんだかもう涙がとまらなくなってしまったです…。


テンションの高いバリヤに祝福されるふたり。
ふたりにわーわーといろいろまくしたてるんですが、その間も「恋人つなぎ」で手を繋いだまま、ずっと嬉しそうに見詰め合っていました。

最後にはしんみりと泣き出してしまうバリヤ。
どこまでも2人の味方です、というバリヤは、でもちゃっかり自分の縁談もロミオにお願いしてしまします。
「お兄さんか従兄弟いません?」と言われたロミオは「従兄弟、モジャ男!!」って答えていました(笑)。


みんなが去ったあと、残った神父。

「ほどほどの愛が一番長続きする。本当はわかっていたのだ。」

呟かれたその言葉は、ずっしりと重くのしかかりました…。


■街頭 -決闘-

街なかでナンパしてるベンヴォーリオとマーキューシオ。
そこに傷つき心の荒れたティボルトがあらわれ、不穏な空気に。
そこにロミオもあらわれます。

止めに入ったロミオは「君とは兄弟のように仲良くなりたいんだ、とレンゲの話をします。
それでティボルトはジュリエットの相手がロミオであることを知ってしまい…「おまえかあああー!!!!」と激怒。
そんなティボルトを見たロミオは目を見開き、思わず、といった感じで「いやいや」をするように首を何度か横に振ります。
ジュリエットを大切に思うもの同士、仲良くなりたい、と思っていたであろうロミオ…ティボルトの反応を信じたくない感じでした。

そしてティボルトは血の気の多いマーキューシオとの決闘に至ってしまい…
結果、マーキューシオは命を落としてしまいます。

刺されたあと、いったん「大丈夫だ、俺は船に乗るんだ」と階段の上まであがったマーキューシオ。
階段を下りてきてステージの前方まで歩き…そこでばったり、と倒れて絶命します。
この絶命のシーン、結構圧倒されます。

大切な友人を失ったロミオ。
怒りと悲しみで、とうとうティボルトとの決闘に至ってしまいます…。

下手側の高くなってる台の上にロミオ、上手側の台の上にティボルト。
ふたりがシンクロしたように同じ動きをしたあと、円形ステージにて剣を交えます。
そのまわりをぐるぐるとマントを被った人たちがまわります。

下手側にティボルトが倒れ、上手側に立つロミオがティボルトに剣を向けた状態で、マントのひとたちの円が小さくなり、2人を覆い隠します。
つぎにその円が開くと二人の様子がかわり、上手側に剣をのばして倒れたロミオ、下手側には立ったままロミオの剣で貫かれたティボルトが。

ティボルトは自らロミオの剣に身を投げ出し、ロミオを殺人者にしようとしたのです…。
ジュリエットのために一生懸命出世しようと頑張っていたティボルト。
彼はロミオを恨み、両家を恨み、絶望したまま死んでしまいます…。


自分のしたことに呆然とし、激しく動揺するロミオ。
ベンヴォーリオは「下手したら死刑だ!」と、とにかくロミオを逃がします。


大公があらわれ、事件を詮議。
民衆達は「ロミオを死刑に!ロミオを死刑に!」と訴えます。

が、大公は死刑にはせず、「このヴェローナから追放する」と言い渡します。
大公には、先に手を出したのがティボルトであることもわかっていました。
両家のいさかいに巻き込まれた若いロミオのことを考えて下した、寛大な決断でした。
そして大公は、ロミオの死刑を求めるキャピュレット家とロミオを庇うモンタギュー家の大人たちに対し、「若者達がこんな戦いを起こしたのはおまえたち愚かな大人の責任だ」と責めるのでした。


■ジュリエットの部屋 -嘆くジュリエット-

バリヤから、ティボルトの形見(?)を渡されたジュリエット。
それはティボルトが以前からジュリエットに渡そうとしていたものでした。
あけてみると鏡と手紙。手紙には「お前は可愛いよ」と書かれていました。
ティボルトは、自分に自信のないジュリエットに自信を与えたかったのでしょう。そして自分の愛をも告げたかったのでしょう…。

嘆き悲しむジュリエット。
ロミオを酷い男だといい募るバリヤ。

同調したようにロミオを責めるジュリエットですが…でも、ロミオを思う気持ちはどうにもなりません。
たとえ大切な従兄弟を殺した相手であってもロミオが好きで、どうにかしてロミオに会いたい。

「苦しくて息ができないの…助けてバリヤ!!!」

そのあまりにも悲痛な叫びに、見ているこっちも心が引きちぎられる思いになります。


■教会 -神父の説得-

カーキ色で少しラメの入ったフードつきの上着を、決闘のときの衣装のうえにかぶったロミオが出てきます。

ロレンス神父はロミオに、まずは食べることだと食事を勧めます。
でも、ロミオは食事など喉をとおりません。

ロミオは、追放になってもうジュリエットには会えない…どうやって妻であるジュリエットを守ればいいんだ…と嘆き悲しみます。
もう2度とジュリエットに会えない、会えないならいっそ死刑になったほうが…と嘆くロミオを神父が一喝し、説得します。
ひとつひとつの幸福に感謝しろと説得し、まずは神父の知り合いの薬屋に身を隠すように言い渡します。
そのうえで、いつかジュリエットとまた一緒にいられるように手配をしようと約束します。

木の器に入ったごはんを、泣きながらわしわしとかきこむように食べるロミオ。
こんな時だけど、その姿はとても可愛らしかったです…。


そして神父はロミオに、「ジュリエットに会って来なさい」と言ってくれます。ただし必ず朝までに戻るように、と。


■ジュリエットの寝室 -別れの朝-

円形のステージ全体に赤い布が敷かれ。
ステージ上手側の上のほうから、ロミオとジュリエットが下りてきます。

ロミオは、ずっと着てた濃い青の衣装の上着を脱ぎ、白いシャツをズボンの裾から出した状態。ふわりと広がる白いシャツがとても素敵です。
そしてジュリエットはいつもの薄桃色の部屋着。
ジュリエットは大きめのまくらを両手で抱え、でもその右手はしっかりとロミオと「恋人つなぎ」で手をつないでいます。

ステージの中央に枕を置き、枕を挟んで下手側にロミオ、上手側にジュリエットが横たわります。並行ではなく、頭をやや寄せた状態。上から見たら枕を挟んでハの字、みたいな感じ。
ロミオは左の膝を曲げて立て、右手を胸の上に置き、そして左の手は枕の上でジュリエットとしっかりと繋がれています。

「ジュリエット、綺麗だよ。特にさっきまでの君は。」
「わたしたち、これでやっと本当の夫婦になれたのね。」


…つまり、そういうことのようです。

起き上がり、話し始めるふたり。
「君はきっとすぐ俺のことを嫌いになるよ、だって俺モテるし、きっと浮気するし。」…別れが辛い故か笑顔のない二人でしたが、無理に明るく振舞おうと軽口をたたくロミオ。
「そうしたら窓からあなたを放り投げるわ」と、笑顔でロミオに枕を投げつけるジュリエット。
「えっ、荷物も?」とロミオが聞くと「荷物は投げないわ。全部もらうの」と答え、するとロミオが笑って枕をジュリエットに投げ返します。
「だけどあなたはそんなことをしないわ、だって本当は優しいひとだもの」

でも、笑顔でいられるのはここまで…。
ロミオはジュリエットに背を向けてあぐらをかいて座り、うな垂れて泣きだします。

「でも俺は君の従兄弟を殺してしまった。もう会うこともできないと思っていた」とロミオ。
「だって、私が従兄弟を失って悲しいのもあなたが親友を失って悲しいのも同じだもの」とジュリエット。

こんなことになってごめん、守れなくてごめん…と泣くロミオを、「言わないで」とジュリエットが膝立ちの状態で後ろから抱きしめます。
「あすなろ抱き」…よりも、もっとしっかりと。
両腕をしっかりとロミオに巻きつけ、ロミオも両手でそのジュリエットの腕をしっかりと押さえてます。
14日の時はジュリエットの左手はロミオの体に、右手は頭に巻きつくようにしっかり抱きついていました。絶対に離れたくない、というように。右手の指はロミオの髪を絡めとるように、髪に差し込まれていました。

あまりにも、美しくて哀しい場面です…。

やがて、鳥のさえずりが聞こえます。
「ひばり(朝を告げる鳥)が鳴いてる、もういかなくちゃ」と言うロミオに、「あれはナイチンゲール(夜に鳴く鳥)よ」と引き止めるジュリエット。

そうこうしているうちに、部屋に非情なノックが鳴り響きます。

「どこにもいかないで」と泣くジュリエットに、ロミオも泣きながら「ずっと傍にいるよ」と言います。
そして「なにか楽しいことをしよう。君は何がしたい?」と聞くロミオ。
ジュリエットは「ありすぎて言えないわ」と答えます。

そして、再びノック。

引き止めていたジュリエットですが、ロミオの身を案じて「やっぱりあれはひばりの声よ、もう行って」と行かせようとします。
それでも離れられないふたり。
しっかりと抱きしめあって、口づけを交わします。(※3度目)

強いノックが響き…

「必ず迎えに来る」と約束し、そこにバリヤが入ってきてロミオを布の後ろに隠します。
すぐあとに入ってきたのは、ジュリエットの両親でした。


泣いているジュリエットに、パリスとの結婚が決まったと告げる両親。
ロミオは布の後ろで全てを聞いています。

あたしはサイドから見る席だったため、布に隠れているロミオの表情や動きも見えたのです…。
ジュリエットと両親との会話に傷つき、肩を震わせて泣いているのです。結婚、と聞いてはっ、と顔をあげたり。
あまりにも、あまりにも、哀しい姿です。

断固として嫌がるジュリエット。「あたしには愛するひとがいるんです!!」と言いながら布の後ろのロミオと目を見交わします。
ジュリエットはそのあともずっと布に隠れたロミオを見ていて、「結婚は自分の意思でします」と言いながら、ロミオの隠れている布をきゅっとつかみます。

バリヤから布の外に出されたロミオ、階段を登り途中で止まり、客席に背を向けたまま話をきいています。その背中も泣いています。

ジュリエットの父親は烈火のごとく怒ります。
「だったら死ね、お前が生まれたときに男じゃなくてみんながっかりしたが、私は女でもお前を大切にしてきたんだ、お前の幸せを考えてきたんだ」
両親に泣きながら説得されたジュリエット…とうとう、
「さっきのは嘘です。好きな人なんてほんとうはいません」
そう結婚を承諾し、泣くロミオと見つめあいます。

それでもロミオには、ジュリエットの言葉が本心でないことはわかっていました。
そしてロレンス神父への手紙で、「どうかジュリエットを助けてください」と告げて街を去ります。


■教会 -ジュリエットの決意-

教会にやってきたパリス。
お祈りや懺悔をするのかと問われたパリスは「それは下のものがやっております」と言い、神父は「だったら結婚もかわりに下のものにやらせたらいかがかな」と嫌味を言います。
でも、そんな嫌味は通じない様子。

神父のところにやってきたジュリエットを見つけると、パリスはひざまづき手の甲に口づけします。
その手の甲を、なんともいえない表情で見つめつづけるジュリエット。

パリスが去ったあと、ジュリエットは神父に助けを求めます。
神父は「このままパリスと結婚するのもひとつの幸せではないか」とさとしますが、ジュリエットは「ロミオ様の妻でいられないなら死にます!」と泣き叫びます。

神父はとうとう、ジュリエットに知恵を授けます。
毒を与え、「これを飲むと仮死状態になる」との説明をして、あとの計画を話します。
ロミオを呼び寄せておくので、ふたりで街を出るのだ、と。

家に戻ったジュリエットは、毒を一気に飲み干し、そしてばったりと倒れます。

ロミオとの愛のためとは言え…
まだ若いジュリエットの、悲壮なまでの純粋な愛情に、もう涙がとまらなくなってしまいます…。


■ロミオが身を隠す街 -ロミオとベンヴォーリオ-

今までとまったく違った衣装に身を包むロミオ。
上は白地に黒い花模様の描かれたふわりとしたシャツブラウス。袖口もやっぱりおおきくひろがって、手首できゅっと締まっているスタイルです。
そして、クリーム色のサイドに黒いラインの入った、一見ジャージっぽいズボンを穿いています。

そこにやってきたベンヴォーリオ。
ロミオは彼に、近況を告げます。
この街で働いてお金を貯めて家を買い、ジュリエットと暮らす…。そんな夢を語ります。

しかし、ベンヴォーリオから告げられたのはジュリエットの死…。

バリヤから聞かされたというベンヴォーリオはジュリエットが自殺であることを告げ、ジュリエットが最後に書いたという手紙を渡します。
ロミオは信じられず、ベンヴォーリオの話を聞き流そうとします。でももう、真実であることもわかっています。泣きながら喋るのです。
本当はもうこんな生活は限界で、働いてもお金なんか溜まらない。
お金になるかもと思って家から持ってきた高価な短剣にも頼るまいと思って頑張っていたけど、本当は今これを質屋にもっていくところだったんだ、と泣きながら訴え…そして「もう帰ってくれ」とベンヴォーリオを追い返します。

ロミオが暮らしていたのは、神父の知り合いの薬屋。
そこで、かつて神父と話していた猛毒をみつけ、それとジュリエットの手紙を手に、ジュリエットのもとへ向かいます。

ロミオが去った直後、神父からの使いがロミオのもとにやってきます。
使いは「大切なお知らせです、ジュリエット様は生きています」と必死で叫ぶものの…ロミオにはもはや届きません。

遅い…
遅いんだよおおおおー!!!
そしてベンヴォーリオは来るのが早すぎるんだよおおーーーー!!!(泣)
もう…なんで命に関わる伝言がこんなふうに行き違ってしまうんだよ!!!!
と、何世紀も前に書かれた脚本にダメ出しをせずにはおれない私でした…。


■教会 -二人の最期-

教会には、横たわるジュリエットの遺体。(仮死状態)
ジュリエットの葬儀が執り行われています。

そこにやってきたロミオですが、民たちには「貧しい街の人間がやってきた」としか思ってもらえず、中に入れてはもらえません。

追い返されつつも、夜になってこっそり忍び込んだらしいロミオ。
ジュリエットに対面し、何度も鼻をすすりながらジュリエットに話しかけます。「もう一度ロミオと呼んでくれ…」そう囁きながら泣くロミオ。

そこに、パリスが入ってきます。
パリスはそこにいるのがロミオだと気付いてしまいますが、ロミオは否定します。

「違います、ただの民です。」

そして、「悔いています」と前置きして、これまでの自分を反省する言葉を述べていきます。
これまで家柄にあぐらをかいていたこと、これまで自分がどんなに幸せだったか気付かずにいたこと、人を愛して死に追いやったこと…。
そして言います。「もう何もないのです。ただの民です。愚かな名もなきただの民です…。」

パリスもまた、自らを悔いていました。「うっかり愛して死なせてしまったのは私も同じ。」
そして、「ただの民なら問題ないだろう」と、ロミオであることを知りながらもその場を去ります。

このひとも、決して悪人ではなかったのです…。


ジュリエットと二人きりになったロミオは、ようやくジュリエットからの手紙を読みます。(手紙は他の出演者達がかわりばんこに朗読する形で読み上げられます。)


ロミオ様。
私に勇気を下さい。
再びあなたと会うために、神のもとに参ります。
でも心配なさらないでください。すぐにまた会えます。

あなたと出会って、世界はぐらぐらと揺れました。
恋をすると世界が揺れるのですね。

まだ時間があるので、別れの朝にあなたが聞いた「これから一緒に何をしたいか」を考えてみます。

まず、歩きます。あなたと二人。
ずいぶんつまらないとお笑いになるかもしれません。
でも、ただあなたと歩く、それが私の夢なのです。

それから、あなたのお友達に会います。
「ロミオの妻です、夫がお世話になっています」と、背伸びをして挨拶をするのが夢です。

一緒にごはんを食べ、お茶を飲み、一緒に眠ります。
ひばりの声を、笑いながら一緒に聞きます。

それが、私の大切な夢です。



手紙が朗読されている間、ロミオは何度も「ジュリエット…ジュリエット…」と泣き叫びます。
そしてジュリエットに対し、俺のせいでこんなことになってごめん、何もかも奪ってしまってごめん、と泣きながら謝ります。

あまりにも辛く哀しい場面です。


そして、ジュリエットに語ります。

「これからはずっと一緒だよ。歩こう。君が望んだ夢の通り。そして今度はひばりの声を笑いながら一緒に聞こう。思わないよ、つまらない夢なんて。どんなにそれが幸せで、かけがえのない叶わぬ夢か、俺はよく知ってるから…」

この台詞をいう時、立ち上がって、2階席のあたりに向かって言うんです。
なきながら、ジュリエットに語りかけるんです。
14日の時はもうほんとに「こっちに向かって言ってる」くらいの位置に座っていたので、なんかもう余計にロミオの哀しみが胸に迫りました。

そして…
「俺もすぐに逝くから。」そう言って、もってきた薬を一気に飲みます。
苦しみつつ、ジュリエットの名をつぶやきつつ…ジュリエットに重なるように倒れ、絶命します。



朝になったのかな…。
実際にはロミオが倒れたのと入れ違いくらいのタイミングでジュリエットが目を覚まし、起き上がります。

「なんだか気持ちがいいわ」と言いながら傍らのロミオを見つけたジュリエット。
「そこにいらしたのね、ロミオ様!」と嬉しそうにロミオを起こそうとします。が…ロミオは、ぐったりとそこに転がります。

ロミオの死を悟り、「すぐに私も逝きます」と焦るジュリエット。
薬の瓶を見つけ「これを飲んだのね」とあおろうとしますが、もう薬は残っていません。
指でそっとロミオの下唇をぬぐうものの、やはり残されてはいません。

そして「ひとりでは逝かせないわ」と、ロミオの短剣を手にします。
心臓に向けて短剣を構えると、キッと正面を見据えます。
これ…このときのジュリエットの表情、ものすごい胸に迫ります。

「怖くはないわ。またあなたに会えるんだもの」

そして、短剣を胸に突き刺し…最期に「ロミオ様…」と呟いて、ロミオの傍らに倒れこみます。
二人とも、最期の言葉は愛するひとの名前だったのでした。


誰でも知っているであろうストーリー。
その結末も、最初からわかっていました。
でも、それでも…それでも、この場面では奇跡を願わずにはいられませんでした…。


■エピローグ

今頃になって(!)やってきた神父。
うわああああん、遅いんだよ…!!!!!(号泣)

死んでいる二人を見つけ、なんてことを…と嘆き悲しみます。
人間が神の領域に立ち入った自分の間違いに気付き、後悔します。


登場した大公も、上に立つものとして自分を戒めます。
そして「この二人ほど悲しくやりきれない話はない。この街は無常な街として全世界に知られるだろう。」と呟きます。


バリヤは「私にはわかりません。どうしてこんな風に死へと急いでしまったのか、生きてさえいれば何か方法はあったはずなのに…」
ゆっくりと、悲痛なまでに哀しい声でつぶやきます。


「恋をしたふたりは、一瞬を永遠に変えたかったのでしょう。」と言う神父。そして。

「私たちも変わりましょう。二人の想い、悲しい恋を、平和と言う永遠に。」
二人の死によって両家の諍いは静まり、ようやく街に平和が訪れたのでした…。


あの有名なロミオとジュリエットのテーマ曲が歌われる中、起き上がったロミオとジュリエットが手をとりあい、階段をのぼっていきます。
そして立ち止まり、抱きしめあうと、最後に二人でこちらを振り向くのでした。


-END-


客席で割れんばかりの拍手が鳴り響くなか。
あたしはむせび泣くあまり、悲しさのあまり…どうしても拍手をすることができませんでした…。
舞台なんだから、それが終わったんだから、拍手を送るのは当然だしマナーでもあるんですが…入り込みすぎて、結末が哀し過ぎて、もうこのときはただ泣くしかできなかったんでした…。


■カーテンコール

順番に登場し、挨拶する出演者達。
小林涼子さんはドレスの裾を持って、おひめさまのように。微笑を浮かべて。

最後に登場した上田くんは、片手を腰の前で反対側に伸ばしてお辞儀。騎士のように。
笑顔はなかったと思います。

と、舞台後方に控えるキャストの皆さんに向き直り、その両手を広げ、促します。
主演俳優である上田くんの姿です。

このあたりでようやく物語の中から少し戻ってきて、ちゃんと拍手を送れるようになった私でした。
でも拍手してると涙を拭えないので、あとからあとから溢れてくる涙が垂れ流し状態になってしまい恐らく顔はぐちゃぐちゃに…。

上田くんが皆さんを促すと、まず涼子ちゃん、それからあとの皆さんが前に出てくるんだったと思うんですが…(カーテンコール部分は流石にメモとってないので曖昧)(←拍手と泣くのとで忙しいのさ)
13日のときの涼子ちゃん、あれはちょっとつまづいちゃったのかな?
もともと大きい目を更に見開いて、ちょっとびっくりしたような笑顔で上田くんに向かって手を伸ばしながら走ってくるのがもうほんとに、ものすごく可愛かった。
上田くんも笑いながら涼子ちゃんに手を伸ばして迎えていました。

上田くんと涼子ちゃんを真ん中に、円形ステージでぐるっと円になるように並び、拍手に応えるキャストの皆さん。
13日のときはちょうどそのとき目の前にいたモジャ…ベンヴォーリオ役の白倉さんと目が合ってしまい、えぐえぐと「むせび泣いてる」状態だったあたしは思わず拍手をやめて顔下半分を覆い隠してしまいましたよ…。


ステージを去るときにはジュリエットの腰に右手を回して。
でも、ぜんぜんベタベタした感じとかじゃなくて…なんか階段をのぼりながらポンポン、って、何度か涼子ちゃんの腰を軽く、ちょうど励ますみたいに叩くんです。
なんかずっとラブラブな恋人同士みたいだったのに、このときだけちょっと上田くんが「お兄ちゃん」みたいな感じがして。
なんかほんとに可愛らしい二人でした。


13日のトリプル?カテコでは、客席がスタンディングで拍手をおくる中、何故かモジャ男が登場!(笑)
客も「ええー(笑)!?」と戸惑いつつ拍手をおくり(笑)。
モジャ男も若干戸惑った表情で(笑)お辞儀をしてました。
んで、そこにあとから嬉しそうに登場した上田くん。ふたりで仲よさそうに退場していきました。


14日2部は、相当長い拍手のあと(ちょっと諦めかけた)、ひとりで小ぶりな人形を持って登場。
それを客席に投げるようなモーションをしたかと思うと投げず!!Σ( ̄□ ̄;)
持ってた人形にチューををして、そのままそれ持ってはけてってしまいました…!!!

この人形…なにやら「おっさん」に見えたんですよね。
あとで涼子ちゃんのブログを見に行ったら人形を持った涼子ちゃんの写真が載ってて、ああこれだ、って思いました。シェイクスピアの人形だったのですねえ。
んで、ファンの方からのプレゼントとかなのかなあと思ったんですが…正解は上田くんのイギリス土産だったのね(笑)。
ナマで見られて嬉しかったです。

あ、そいで、上田くんがそのままはけちゃったので客も諦め悪く(?)さらに拍手。
最後にもう一度ひとりで出てきてくれて、お辞儀だけして去っていきました。
笑顔はなかったなー。


こうして、あたしの観た舞台「ロミオとジュリエット」は終わりました…。

***


滑舌の悪さは、確かにあったと思う。
早口になると聞き取りにくい部分もありました。

涼子ちゃんのほうも、感情が昂るにつれ声がキンキンとした叫び声になってしまうので、後半の叫ぶ場面では何箇所か、台詞の聞き取れないところもありました。
この声の出し方だと公演の最後まで喉がもつかな、とも思ったし。

だけど、だからこそ…とか言っちゃうとこじつけと言うか言い訳くさくなっちゃう感じがしそうですが
だからこそ、本当に初々しい二人だったようにも思うのです。

これまで映画とかでこのお話に触れてきていたけども、ここまで入り込んだこともなかったし、ここまで、本当に心が千切れそうなくらいに哀しくなったこともなかった。

あんなに、ロミオとジュリエットの二人を愛おしいと思ったこともなかった。

それはきっと、上田くんのロミオ、涼子ちゃんのジュリエットが、本当にそこにロミオとジュリエットとして存在し、リアルに息づいていたからだと思うのです。
本当にそこで「生きて、恋をして、絶望し、命を落としていった」と感じられたからだと思うのです。

あまりにも純粋で可憐で、生き生きとしていたロミオと、そしてジュリエット。
今回のこの舞台は、上田くんと涼子ちゃんがいてこそ成り立っていたと、本当にそう思いました。
素晴らしかった。
ほんとうは泣いてないで、もっともっと拍手をおくりたかったなあ…。
事務所の仲間であるハセジュン、翔央も、予想以上のものを見せてくれたと思います。
二人の剣捌きや身のこなしは素晴らしかったし、それぞれの絶命の場面にも胸打たれました。
あと、ハセジュンのスタイルが凄くよくってびっくりしたなあ。

それから忘れてはならない、達者なキャストの皆さん。
どっしりと安定した彼らの存在があったからこそ、ロミオとジュリエットの若さや初々しさがより際立ったのだと思います。
そして、出演者全体の雰囲気がほんとうに、ものすごくよかった…!!
パンフレットを見ていてもいろんな場面での上田くんの発言を読んでても、彼らに支えられてほんとうにいい雰囲気の中でこの作品をつくっていけたのだと感じられて、なんだかひとりひとりの手を取ってお礼をいいたいくらいの気持ちでした。


ほんとうに見応えのある、本当に素晴らしい舞台でした。
今でも思い出すと泣いてしまうくらい、ずっとあたしの中にあの世界が残っています。
14日の時はカメラが入っていたので「!!」と思ったんですが…とりあえず前例がないそうなので、DVDになるのは無理なのかなあ…?
だけどこの舞台がきちんとした形で残るように、なんだか願わずにはいられません。


あと…お話の筋とは別のところで、泣きながらもものすごく凝視してしまった部分なんですが…

ロミオが街をでてからの衣装、ヒラヒラしたシャツの胸元をクロスした紐で結んでるみたいなやつだったんですが
それが、ロミオが両腕をついて泣くたびに、襟元が大きく開いて鎖骨とか肩とかが見えたり出たりしていて…なんかそれがすごく色っぽくて素敵だったです…(笑)。