上杉氏の重臣・直江兼続が著したとされる農耕の指南書。「四季農戒書」や「直江兼続四季農戒書」と通称されるが、正式な名称は『地下人上下共身持之書』である。
その内容としては、まず最初に領主に対する領民の在り方を説き、以下、「○月には○○をすべし」と、農耕を営むためその月に成すべきことを全13条に亘って列記している。
農耕の指南のみならず、家庭での生活(とくに夫婦)の在り方、常日ごろの心がけの持ち方などにも方言を交えながら触れており、特筆すべきこととして、農耕に従事する領民としてこうでありなさい、といった支配階級的な観点からの指南であることが挙げられる。
この文書の原本が上杉家ではなく加賀前田家に由来するものであること、本文の内容が時代的に符合しない部分があることなどから、偽文書とする説もある。