狂王の庭

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狂王の庭 小池真理子

 小説の方はまだ読み終わっていませんが、これから先、大きなドンデン返しがなければ、だいたい想像がつきます。いまは、美夜が実家に帰った所です。あれ程の純愛はあの時代の産物でしょうか?少なくても、私たちの時代はセックスについて閉鎖的な時代でした。日本中がそうだったので、何の不思議もなく、当たり前に思っていました。結婚前の男女交際は清いものが求められ、処女性を重要視した時代でした。今考えるともったいないことをしたと思います。自分の気持ちに自由に生きられたら、もっと楽しい青春時代が過ごせたと思います。

 

 私も、若い時不倫ではないですが、一人の人を好きになり、熱烈に恋をしたことがあるので、青爾や杳子、さらには佐高や美夜の気持ちはよくわかります。人を恋するときの辛さや切なさは、何者にも例えようがありません。押さえようとすればするほど、激しく燃えていきます。

 

 4人とも、まじめに真正面から生きている。ある意味では生き方の下手な人たちですね。もっとずるく、そして賢く立ち回れば、周りの人を傷つけずにすんだかもしれない。それができないから、この純愛は美しくそして悲しいのでしょう。

  

 

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