驟雨

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 吉行淳之介の<驟雨>

吉行淳之介の<驟雨>を読みました。彼の本をこの間《H》と書いたのは、誤解をしないでくださいね。純文学です。あの頃の私は<エロ本>のたぐいを本屋で購入できるほどの勇気がなかったので、文学作品でそれに代わるものを探していました。そんな時に彼の作品がエロチズムを醸し出していると、評論か何かで読んだんだと思います。確かに彼の作品は<色街><赤線><売春><娼婦>などを扱っていたから、間違いはないのですが、表現はあくまでも文学的で婉曲です。

 

 日曜日に図書館に行って、「驟雨」を読んで見ました。アッという間に読める短編です。内容は年齢を重ねたおかげでよく理解できました(笑)。話の内容は、女性を愛するとその人に縛られて自由が利かなくなるので、本気に惚れないように考えている男が、娼婦の道子に惹かれていく様を描いています。娼婦とは自分以外に身体を売る、自分の自由にできないいらだちを感じるが、それが愛であり、彼の一番恐れていたことであった。

  

 

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