柔らかな頬　桐野夏生

　私は桐野夏生は２冊しか読んでないんですが、「

柔らかな頬」を３年ばかり前に読みました。不倫相手の別荘に家族で遊びに行った時に、娘が何ものかに誘拐される（誘拐というより神隠しにあったみたい）その子の行方を必死で追う話ですが、犯人が最後までわかりません。複数の犯人らしき人物とその犯行の手口が可能性として語られるだけです。何ともすっきりしない終わり方でした。でも、今考えると新鮮な感じを受けます。ミステリーの新しい境地を開拓したのでしょう。

　『

柔らかな頬』は、終わり方がすっきりしませんでしたね。犯人が分かったような分からないような、何ともおかしなミステリ小説でした。自分が親を捨てて逃げたことと、自分の娘がいなくなったことをダブらせて、自分の罪を償っているような印象を受けました。

　桐野夏生の＜グロテスク＞を昨日から読み始めました。彼女の作品は＜

柔らかな頬＞と＜ＯＵＴ＞を今までに読みましたが、＜柔らかな頬は＞誘拐犯が最後までわからないちょっと変わった推理小説でした。この小説を映画化したビデオがあるのをご存じですか？上下２巻の長い映画ですが、なかなか良くできていて、小説よりも面白かった気がします。いくつかの犯行の可能性を映像で描いてくれ、わかりやすかったです。それと北海道の寒村が映像だと現実のものとして伝わってきました。