マーシャル・ロー

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マーシャル・ロー (THE SIEGE) h.13.2

監督:エドワード・ズウィック

出演:デンゼル・ワシントン/アネット・ベニング/ブルース・ウィルス/

 

 
 アラブ過激派の爆弾テロ事件が相継ぐ中、その首謀者をペンタゴンの司令官ダブロー将軍(ブルース・ウィルス)が秘密裏に捕らえ、監禁したことから事件が始まる。その指導者の奪還をめざすアラブ過激派は、ニューヨークでバスを乗っ取らり爆破させる。さらに小学校と爆弾テロはエスカレートする。この捜査の主導権を、FBIの捜査官ハーバード(デンゼル・ワシントン)とCIAの秘密情報部員クラフト(アネット・ベニング)が競い合う。ハーバードはFBIのテロ対策本部長で、切れ者のエリートでありながら、めっぽう正義感の強い男である。また、クラフトは、アラブで実際に秘密の工作活動を指導してきたアラブ通で、独自にテロリストとの情報源がある。この二人、最初は対立するが、いつしか心が通い合い、共通の敵(テロリスト)に向かって協力して捜査をするようになる。しかし、必死の捜査にも関わらず、テロリストを捕まえる事ができない。そんなFBIの捜査に不満の声が上がる一方、ニューヨークはパニックになり、日常生活の安全さえ保障できなくなった。そこで政府は、緊急に安全保障会議を開き、テロ対策が話し合われた。その中で、安易に戒厳令を唱える委員を、タブロー将軍は諫めた。そして、その危険性を訴え、戒厳令の実施に強く反対した。しかし、事態はさらに悪化し、ついに連邦ビルが爆破され、政府及び、FBIの職員に大量の死傷者が出てしまった。このことを重く受け止めた大統領は、ついに戒厳令を命令し、その司令官にダブロー将軍を指名した。彼は、戒厳令には反対であったが、いざ命令となるとそれに忠実に従った。テロリストを検挙するため、徹底的にアラブ人狩りをし、彼らをゲットーに閉じこめた。これは、まさにナチスと同じやり方だった。この人種差別的な軍隊のやり方に、市民から批判が集中し、デモが起こった。まさに、それはテロリスト達の思うつぼだった。アメリカ市民同士を疑心暗鬼にし、内乱を起こさせる、それが目的の戒厳令であった。そのことにハーバードは気が付き、戒厳令を解除させるために立ち上がった。彼とFBIそして、クラフトは協力をし必死で捜査をし、ついに最後のテロリストを見つける。そして、政府を動かし戒厳令を解除させる。

 

 


◎ 警察力で抑えられない、強力なテロリスト達を、それも大都市で徹底的に弾圧するためには、軍隊による戒厳令を引くことも十分考えられる。この映画は、それが現実に起こった時の問題提起でもある。軍隊の非常さは、FBIやCAIの比ではない。あれ程戒厳令を危険視し反対してきたタブロー将軍も、命令となれば非情にもそれに従い、目的遂行のため徹底的に戦う。軍隊に情はない、勝つことだけが目的だ。

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