聖なる嘘つき(JACOB THE LIAR) 監督:ピーター・カソヴィッツ ポーランド出身で、自らもゲットーや強制収容所を体験した作家ユーレク・ベッカーの小説「ほらふきヤーコプ」を、ロビン・ウィリアムズ主演で映画化したヒューマン・ドラマ。 監督・脚色のピーター・カソヴィッツは、ハンガリー出身のユダヤ人でホロコーストの生き残り。 |
いつもひげを剃ってもらう理容師の友人が首を吊って自殺しようとしていた。ゲットーでは毎日の不安から、自殺する人が絶えなかった。ジェイコブは人々に希望を与えるため、ラジオから得た情報だと嘘のニュースを流すようになる...。自殺しようとしていた床屋コワルスキー(ボブ・バラバン)を止めるために昨日のニュースを教えるが、それがボクサーのミーシャ(リーブ・シュライバー)にも伝わり、彼は勇んで恋人ローザ(ニーナ・シーマスコ)の家に行って俳優だった彼女の父マックス(アラン・アーキン)の前で求婚する。こうして「ジェイコブがラジオを持っている」という間違った噂が広がってしまうのだった。翌日、ジェイコブはこの朗報を2人の友人にこっそり耳打ちした。ニュースはまたたく間にゲットーに流れ出し、ジェイコブがラジオを持っているという噂までも広まっていく。 人々は彼の話に希望を見出し、新しいニュースをせがむ。やむなくジェイコブは次々と嘘をつき架空のニュースを作り出さなければならなくなった。今やジェイコブは人々に希望をもたらす英雄で、彼に勇気づけられた人々は抵抗組織を作ることにする。 だがゲシュタポの追及は厳しさを増し、その中でキルシュバウム医師(ミューラー・スタール)やコワルスキーの命が失われてしまった。彼らはラジオの持ち主が名乗り出なければ次々と住人を処刑していくと宣言する。ジェイコブはやむなくリーナをミーシャに託し、司令部に出頭する。住民たちの前ですべてが嘘だったことを告白するよう命じられるジェイコブ。だが彼の決断は、自分の身を犠牲にしても人々に希望を与えることだった。 |
リーナにラジオを聞かせるシーンでは、ものすごく楽しそうで、その後のダンスシーンは、楽しそうであればあるほど泣けました。 |