シィティ・オブ・エンジェル

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シティオブエンジェル(CITY OF ANGELS)映画館で

監督:ブラッド・シルバーリング 1998アメリカ映画

出演:ニコラス・ケイジ、メグ・ライアン

 

 
   セス(ニコラス)は天使である。死にそうな人間のそばに行き、天国への道案内をしてやるのが役目である。どこにも自由に行け、人の心が読めるが、人間には姿は見えない。黒い服を着た天使は、人間にこそ見えないが至る所にいる。彼らは、図書館に住み、どんな国の言葉も理解した。そして、日の出と日の入りには海に集まり、太陽の音を聞くことを習慣としていた。

 ある日、手術室にセスが現れる。そこでは、女医のマギー(ライヤン)が自信満々で手術をしている。彼女の腕はさえ、手術は成功したかに見えた。しかし、しばらくすると患者の容体が急変する。それは、セスのせいである。そんなことを知らないマギーは、必死で蘇生処理をする。その時、マギーはなぜか見えないはずのセスをジッと見つめていた。結局患者は死に、彼女は自分の未熟さと傲慢さを悔やむ。その苦しむ彼女の姿に、セスは不思議な魅力を感じる。

 元天使で、『ある方法』で人間になった人物が、心臓手術のために入院していた。彼は、マギーの手術を待っていた。しかし、この事件のため、手術は、彼女の気持ちの落ち着きを待ってからと延期になった。その病室をセスが覗いている所を、マギーが声をかけた。(なぜ彼女にセスが見えるのか不思議だ?)そこでマギーはセスに一目惚れをし、二人は恋に落ちる。彼女には、同僚の医者である恋人がいる。二人は愛し合っていたが、結婚に踏み切るまでには、至らなかった。彼女は、何か足りないと感じていた。彼なら、同じ仕事仲間で、自分のことを理解してもらえるが、結婚とはそんなものではないと感じていた。もっと熱い何かが必要だと。

 セスは、人に触れることはできても、触れたという感触がない。愛する彼女ができた今、彼女に触れ、その感触を感じたいと心から願うようになる。それには、天使から人間になる必要がある。天使が永遠の命を捨て、人間になる方法は、地上に落ちることだった。セスは決意し、高層ビルの工事現場から、鳥のように舞って落ちる。しばらくして気が付くと、怪我をし血を流している。その赤い血を見て、彼は人間になったことを実感する。

 マギーを見つけるために、彼女の勤める病院を訪ねる。しかし、彼女は恋人の別荘に出かけた後だった。まだ間に合うかもしれない。必死で彼は、その町をめざす。ヒッチハイクをして、ようやく彼女のもとにたどり着くと、幸いにも彼女は一人きりだった。彼女は言う、「彼とは結婚できない。なぜなら、あなたを愛しているから……」彼女も、彼の唇から血が出ていることから、彼が人間になったことを知る。強く求め合い、二人の愛の営みが果てしなく続く。そして、セスはマギーをはっきりと感じることができた。二人にはこの幸せが、永遠に続くように思えた。翌朝、彼女は、買い物に自転車で出かけた。両手を広げ目をつむった彼女の姿は、大空を天使(セスと共に)になって飛んでいるようだった。しかし次の瞬間、トラックが突然飛び出し、彼女をはねた。悪い予感がして、彼女を捜しに来たセスは、息も絶え絶えの彼女を見つけるが、時すでに遅くマギーは死んだ。せっかく、セスは永遠の命を捨てて、人間になり、彼女と幸せな暮らしができると感じていたのに、その矢先に不幸が起こった。しかし、彼は、後悔していなかった。それは、彼女を感じることができたからだ。

 

 


◎ この時のメグライアンはいくつなのだろう?肌の艶といい、表情の輝きといい、若さ を十分感じる。特に、彼女の口元が可愛く、えくぼがチャーミングだ。そして、ちょっ とたれ目な目がセクシーだ。

◎ 天使が、人間になるために地上に飛び降りる。考えてみればばからしいストリーであ るが、ニコラス・ケイジとメグ・ライアンで素敵なラブストーリーに仕上げている。最後 は悲劇のようだが、セスにとって、彼女を感じることができなくて永遠に生きるより、 彼女を感じて人間として生きる方が幸せであった。そして、セスはその思い出で一生を 生きていける。『一瞬のために永遠を捨てる。』とは、何と素敵なことだろう。
 

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