シックスセンス

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シックスセンス(THE SIXTH SENSE)2000年3月上映 h13.2(2度目)

監督:M.ナイト・シャマラン

出演者:ブルース・ウイルス ハーレイ・ジョエル・オスメント

 

 
映画の冒頭に、まだ見ていない人に、この映画の秘密を決して話してはならないとのとのメッセージが出る。この秘密が映画の最後にあかされあっと驚かせる。このことがわかると、今までの映像の一つ一つが、だからそうなるのかと納得できる。今回、ビデオで2回目を見たが、この秘密を知った上で見るのも興味深い。映像の作り方がていねいであることがよくわかった。

 小児精神科医のマルコム・クロウ(ブルース・ウイルス)は名誉市民に選ばれるほど、仕事熱心な男であった。妻のアンナを心から愛し、二人の生活を大切にしていたが、仕事のために彼女との時間がとれないことを申し訳ないと思っていた。そんな二人が酒を飲みながら、リラックスしている夜に、ある男が家に侵入してくる。この男、パンツ一つの丸裸で、震えながら、子供時分の自分を救ってくれなかったと、マルコムを責める。しかし、マルコムは彼のことを覚えていなかった。必死に思いを巡らし、やっと彼の事を思い出した瞬間、彼は、ピストルを撃った。その弾はマルコムの腹を貫通した。さらに、自分も頭を撃ち抜いて自殺した。彼は、10年前にマルコムが治療したビンセントであった。

 時は流れて、一年後、マルコムはビンセントの子供の頃と同じ症状の少年に接触し、その少年を救おうと考えた。この少年は8才のコール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)である。コールを救うことが、ビンセントに対する、せめてもの罪滅ぼしになると思った。コールは、6番目の感覚(視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚の5つの感覚以外)に優れ、死んだ人が見えるという。それは誰にも言えないことで(言えば、化け物扱いされるから…。)深刻に悩んでいた。家の中を死人が歩き回り、夜中にトイレに行くことも怖くてできない。そのため、自分のベットではなく、聖像がいっぱい並べてある、テントの中に隠れて、寝ていた。そんな少年の心の支えは、主治医のマルコムだった。マルコムは少年から幽霊の話を聞いているとき、あることに気がついた。それは、幽霊達は、『コールに何かを訴えに来ている。』つまり、『コールに助けを求めにきている』ことに気がつく。そこでマルコムは、幽霊を助けてやればもう出てこない。だから幽霊達の話を聞いてやりなさいと言う。コールの所に少女の幽霊が出て、口から食べたものを吐き出していた。そして、コールに訴えるようにビデオを渡した。それを見たコールは、マルコムと共に、少女の葬式が行われている自宅まで行き、そのビデオを父親に渡した。そのビデオを見て父親は驚く。何と、少女の食事に毒を入れ、娘を殺したのは母親だったのだ。少女は自分と同じ運命に会うかもしれない妹を守るために、コールに助けを求めに来たのだった。

 こうして少年は幽霊と話をし、その苦しみを解いてあげた。そして、ついに自分の秘密を母親に打ち明けることができた。なかなか信用しない母親に、母親とおばあちゃんしか知らない話をして、ようやく信じてもらうことができた。コールが最も大切で愛する母親という理解者を得たことから、マルコムから離れて独り立ちすることができることになる。 一方マルコムは、仕事を控えめにして、妻との仲を元通りにしようと努力する。しかし、そこには意外な事実が隠されていた。しかし、これは言えない。
 

 

 

  
  オスメントの自然な演技は、ブルース・ウィルスを完全に食っていた。

 時々現れる幽霊に、「ドキッ」とさせられる。時々しか幽霊が出ないだけに怖い。しかし、この映画はホラーではない。

 霊感の強い人の悩む。もう一度映画は見ると、よくわかる。

  幽霊から逃げるのではなく、前向きに対処することから道が開ける。逃げる姿勢からの転換。

 少年にとって、最大の主治医は母親である。母親に秘密が打ち明けられ、それを母親が理解したことでこの少年は救われた。

 マルコムは、本当に大好きな妻との時間がとれなくて、歯がゆい思いをしてきた。

 人に見えないものが見える人の苦悩、怖さが良く伝わってきた。

 マルコムが10年前に治療に失敗したのは、母親などの肉親の理解が得られなかったからで、医者は手助けをするだけで直すのは本人である。

 人にはない能力を良い方向で使う。その役立っているという意識が、自分は化け物であるという意識を薄めさせていく。

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