僕の神様

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 ナチスによるユダヤ人(ポーランド人)の迫害をテーマにしているのは、<ブリキの太鼓>と同じですが、全く趣の異なる映画でした。ポーランドの田園の美しい風景の中で、戦争という極限の中を、少年達がたくましく生きていく様を描いていました。でも、少年は残酷ですね。

 ロメックが隣に住む兄弟に殴られて湖に捨てられたり、マリアを強姦するシーンは眼を覆いました。戦争という極限状態だから起こったとは言えない、少年の時の魔性を見た気がします。そういえば、ユダヤ人のロメックが、生き延びる手段とはいえ、同じユダヤ人から金品を取る姿は、魔性そのものでしょう。生きるためには手段を選ばない、それが人間に与えられた権利なのか?ロメックはその瞬間心の中では泣いていたかもしれません。<生きるためには仕方ない、だから神様許してくださいと……>それとも、自分さえ助かればそれで良いと考えていたのか?

 戦争とは非常時、それが許されるのかもしれません。敵といえども何も悪いことをしたわけでもなく、自分とは関係ないのに、殺さなければ自分が殺されます。

 

 

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