グッドモーニングベトナム

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 「グッドモーニングベトナム」今見終わりました。題名から想像していたものと(というよりも全く想像できなかったといった方が正確でしょう)全く違っていました。ベトナム戦争の血なまぐさい戦闘シーンを考えていました。

 ラジオのDJから見たベトナム戦争。視点の置き方がユニークですね。まったく、違った世界が見えてきます。あのDJはロビンウィリアムス以外には無理でしょうね。彼のはまり役そんな気がします。ちょっと、「聖なる嘘つき」で女の子を安心させるために、イギリスからの嘘のラジオ放送をするシーンを思い出しました。

 あの英語のジョークすごいですね。相当アメリカのこと(映画、音楽、政治、文化)を知っていないとわかりません。物まねなんかも一杯あるけどほとんどわかりません。こういうときこそ、英語が聞き取れれば少しは笑えるかも知れません。字幕を読んでいると、それだけで精一杯で考える時間もありませんね。それに、翻訳する人が日本人向けにジョークを変えている部分もあるでしょうから、やっぱりあれを理解するのは難しいです。でも、セックスネタや卑わいな言葉が一杯出てくるから、若い娘さんにはちょっときついかな?

 ロビンのDJは、英語教室を開いたり、親友がベトナム人の青年であったり、恋人がベトナムの美しい娘ということで、ベトナムを理解し、愛している人物ですね。彼の目を通して、ベトナム戦争の意味みたいなものを問いかけて、間接的な反戦映画になっていると思いました。そして、前線の兵士達がいかに笑い(ユーモア)に飢えているか、それを示してくれました。私などはラジオのDJを聞いて受験勉強をした世代ですから、DJの楽しみ、待ち遠しさなんかはよくわかります。ある意味では、DJが教祖みたいな所がありました。だから、ロビン演じる所のDJの影響力は大きかったと思います。

 やはり今回もアメリカという国の懐の深さみたいなものを感じました。「プライベートライアン」の時にもこんな発想の国と戦争をやったら勝てるわけがないと、……、今回の「グッドモーニング……」でも、現職の大統領をからかったりする所なんかは、(それも半端なからかい方ではない)さすが自由の国アメリカと思わせるものがあります。

 全く戦闘シーンがなかった、それだけにベトナム戦争の意味を、私に考えさせてくれた気がします。やはり、ロビンは良いですね。ほとんどハズレがありません。でも、彼の作品の中では、普通程度だと思います。

 

 

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