めぐり合う時間たち

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「めぐり合う時間たち」は難しい映画でした。正直言って何を言いたいのかよくわかりませんでした。女性の繊細で複雑な気持ちを描いているので、ことりならよくわかるかもしれません。だから、あえてあら筋を書くのはやめておきます。

 自殺(死)がテーマの一つであることだけはわかりました。主人に愛され、愛すべき息子がいて、さらに出産間近の、傍目からは何不自由ないと思われていた専業主婦が、「今の生活は死ぬほど退屈」だと、それから逃れ得るために自殺を図ることにショックを受けました。人それぞれかもしれませんが、女性が働かず家庭にいることが、必ずしも幸せではないことを知らせてくれました。

 毎日が何もなく過ぎて行くのは幸せのようであるが、人によっては自分の意志で何もしないことの虚しさを感じる。自分の人生を生きていない。夫や子供のための自分、そんな所から脱出をしたいと思ったのかもしれませんね。男は、<女はそれで幸せなんだ>と思いこんでいる人もいます。仕事ができたり能力が高い男ほどそう思いこんでいる気がしますが……?

 主演のニコール・キッドマンの大ファンであることが、この映画を見たいと思った大きな原因ですが、彼女の変わり果てた姿(彼女の特徴である鼻が変わっていた)のため、彼女だとハッキリと確認するのに随分時間が必要でした。日頃の妖艶な色気は全くない、陰影の濃い役づくりは見応えがあります。(本作で第75回アカデミー主演女優賞を受賞した)

 ことりは親孝行だね。過去にはいろいろ辛いことがあったけど、それを乗り越え態度に出さないことが偉いと思います。それは、きっと子供さんにも良い影響を与えることだと思います。

 

 

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